産褥性乳腺炎 サンジョクセイニュウセンエン

初診に適した診療科目

産褥性乳腺炎はどんな病気?

産褥性乳腺炎は、産褥期に起こる乳腺炎のことを言います。細菌数が多くない場合は、非感染性乳腺炎といわれ、細菌数が多く白血球数も多い場合は、感染性乳腺炎といわれています。感染性乳腺炎は、急性化膿性乳腺炎とも呼ばれています。症状としては、どちらも、乳汁のうっ滞や局所の発赤や腫脹、熱感、全身的な発熱や身体の痛みなどがあげられます。

主な症状

とくに、初産の場合に良く見られる、出産後2,3日の産褥期に頻発する乳腺炎を産褥性乳腺炎といいます。その症状は、乳房全体が赤くはれ上がる、乳房全体が固くなる、しこりができ、少し触れただけでも飛び上がってしまうほど痛みがある、微熱がある、などです。うっ滞性になると、膿の混ざった乳汁が出たり、炎症箇所が固まって膿の塊が出てくることがあります。

主な原因

産褥性乳腺炎の主な原因は、分娩やその前後の時期に、分娩の際にできた傷が要因となり細菌に感染して起こる疾患です。この疾患は乳がきちんと排出されず、乳腺の内部に溜まり、炎症を起こすことになります。また、出産に限らず、乳頭部分に傷ができた時にもこの傷口より細菌への感染を起こし、この部位に炎症が起こり乳腺炎となることもあります。

主な検査と診断

産褥性乳腺炎の検査方法としては、臨床症状や血液検査で白血球の状態を調べたり、超音波検査で診断します。膿瘍を形成している場合には乳汁や膿汁を穿刺吸引して、細菌学的検査で起因菌の特定をし、抗生剤などの薬剤感受性を調べます。乳がんは乳腺炎と紛らわしいために、念のため穿刺物の細胞診断をして、がんではないことを確認しておきます。

主な治療方法

産褥性乳腺炎の治療法では、細菌感染によるものでない場合は、痛み止めや消炎剤の服用と乳腺マッサージにより痛みを和らげながら、乳腺に溜まって炎症の原因となっている乳汁の排出を促します。細菌感染のために産褥性乳腺炎が起こっている場合の治療法は、抗生物質の服用も併せて行います。また、乳腺内に膿が溜まって腫瘍を形成してしまっている場合は、その腫瘍を外科的手術で取り除くこともあります。