器質的構音障害 キシツテキコウオンショウガイ

初診に適した診療科目

器質的構音障害はどんな病気?

器質的構音障害とは、生まれつき、もしくは口腔がんなどによりがん細胞を切除したりして、後天的に口唇や声帯の形状が異常になり、うまく言葉を発することが困難になることです。この障害の度合いには、少し発音が歪むだけの軽い症状のものから、意志の疎通が不可能なほど重い症状である場合もあります。手術をして欠損している組織を再生したり、欠損部分を補助する装置を用いたりして治療を進めます。

主な症状

器質的構音障害の症状は大きく分けると2つに分類されます。口蓋裂が原因の場合、くちびるから出るべき語音が鼻のほうに響くために、母音の響きがゆがんだり子音の破裂や摩擦雑音が弱まるといった症状があらわれます。舌癌の後遺症の場合、組織欠損や舌の運動機能低下などにより軽い語音のゆがみや、音声を発することができないといった重篤な症状となることもあります。

主な原因

器質的構音障害は、けがや病気などによる欠損や奇形などといった、器質的な原因(身体の形態面の問題)で発症します。例としては、舌がんや中咽頭がんの治療のために舌や口腔・顔面の切除などの手術を行った後や口唇口蓋裂・粘膜下口蓋裂・先天性鼻咽腔閉鎖機能不全症(咽頭が深く軟口が短いなど)・舌小帯短縮症といった原因疾患があげられます。

主な検査と診断

器質的構音障害では、言語や、構音器官の形態、構音器官の機能、鼻咽腔閉鎖機能の状態などを確認する検査方法が行われます。また、器質的構音障害は難聴によっても起こるため、聴力検査をする場合もあります。年齢にもよりますが、知能や言語発達の評価も行うことがあります。一般的には、6~7歳頃になると正しい発語ができるようになるのですが、小学校へ入った後も正しい発語ができていないようであれば、検査が必要です。

主な治療方法

器質的構音障害とは、発語器官の奇形や、機能の障害によって起きる構音障害です。口唇口蓋裂や舌の形態異常などの場合、外科的治療をすることによって、構音動作を訓練し、改善することができます。また、年齢にもよるのですが、専門の言語聴覚士により、スムーズにコミュニケーションをとることができるよう、適切な訓練を行っていく治療法もあります。