鼻咽腔血管線維腫 ハナノドコウケッカンセンイシュ

鼻咽腔血管線維腫はどんな病気?

鼻咽腔血管線維腫とは、鼻の奥にできる非上皮性の良性腫瘍です。思春期の男児に多く見られ、病気の原因として性ホルモンとの関係が疑われていますが、詳細は不明です。初期症状は少量の鼻出血ですが、進行してくると出血量が増え、鼻血を繰り返すようになります。ゆっくりと進行することが多い病気で、治療は手術による全摘出や放射線療法、ホルモン療法などがあります。

主な症状

鼻咽腔血管線維腫は、鼻づまり・大量の鼻出血・鼻声といった症状を長期間繰り返します。腫瘍の成長はゆっくりですが長引くことで周囲の器官を圧迫して障害がみられるようになります。鼻づまりが顕著で悪化すると、耳閉感や難聴・眼球の突出といった顔面の変形にまでおよびます。頭蓋内に発展すると頭蓋内圧亢進症状があらわれることもあります。

主な原因

鼻咽腔血管線維腫は思春期の男児によく見られる病気なので性ホルモンの関与が原因とされています。鼻の奥の方にできる良性の腫瘍なのですが女性にはあまり見られないですし、他の年齢でも見られることはありません。鼻咽腔血管線維腫の原因としてはまだ議論がありますが思春期の男児にしか見られないので性ホルモンが関与しているとされています。

主な検査と診断

鼻咽腔血管線維腫を確定する検査方法は、生検によるものが一般的です。ただし大出血の危険が伴うため、施行は万全の体制を整えた上で行う必要があります。そのため、上咽頭に大出血の恐れのある主要を発見した際は、臨床的に鼻咽腔血管線維腫と断定する場合もあります。その場合は、CT及びMRIにより、その進展範囲や骨破壊の程度を把握し、血管造影によって、大出血の要因となりうる血管を判定します。

主な治療方法

鼻咽腔血管線維腫の主な治療法は手術となります。この疾患の特徴としては、血液が多い腫瘍の種類で、腫瘍が顔の皮膚の内部に入り込んでおり、出血を最小限に抑えるため、血管を造影を行う事が必要になります。又、血管の塞栓も必要になり、高度な技術が用いられます。そして、より精度の高い手術が必要とされるために、内視鏡を用いての術式が採用されているのも特徴です。