ボホダレク孔ヘルニア ボホダクレコウヘルニア

初診に適した診療科目

ボホダレク孔ヘルニアはどんな病気?

ボホダレク孔ヘルニアは、子どもの横隔膜ヘルニアのことで、胎児期の横隔膜が形成される時期に、完全に形成されずにできた裂け目から、胃・小腸・大腸などの内臓が胸腔に脱出したまま生まれてくることです。内臓が心臓や肺を圧迫するので、呼吸困難とチアノーゼがみられます。ただちに開腹手術をし、腹腔の正しい位置に戻し、横隔膜の穴を閉じます。

主な症状

ボホダレク孔ヘルニアの症状は小腸や結腸の脱腸であり、子供に多くみられる症状です。脱腸した内蔵は肺や心臓を圧迫し、呼吸困難、吐き気、嘔吐などを引き起こします。発症した子供には緊急手術が必要となるほどの重大な症状が生じる場合もあります。出生直後に発症したときには肺の発育不全や肺血管の高血圧を伴って重症化する場合があります。

主な原因

胎児の期間に行われる横隔膜の形成がうまくいかなかったことが原因で、ボホダレク孔ヘルニアは起こります。横隔膜がきちんと閉まらずに、一部が裂けている状態のため、胃や腸などの内臓が、あるべき場所からその横隔膜の穴を通って飛び出てしまい、そのまま内臓が元の場所に戻らずに生まれてきてしまうことで、ボホダレク孔ヘルニアとなります。

主な検査と診断

ボホダレク孔ヘルニアでは出生後すぐに低酸素血症が進行し、四肢だけでなく体幹部にもチアノーゼが見られます。また、低酸素血症を代償するために頻呼吸もみられます。診断を確定させるための検査方法として、胸部の聴診および胸部X画像撮影があり、胸部の聴診では腸音が聴取され、X線画像撮影では横隔膜を越えて腸が胸腔に脱出している像が確認できます。

主な治療方法

ボホダレク孔ヘルニアの治療法としては手術をします。手術方法としては、開腹や開胸をして臓器を戻し、横隔膜の穴を閉じる手術をします。この手術は赤ちゃんの血液循環を保つことが大切で、生後すぐに手術をするのではなく、数日間待って血液循環の安定を確認してから手術をしたり、人工肺の装置を使い赤ちゃんの血液循環を良くした上で手術を行います。