閉塞性腸閉塞はどんな病気?

閉塞性腸閉塞は、腸管内腔が物理的に閉塞されて起こる機械的腸閉塞のうち、腸管への血行障害を伴わないものを言います。腹部の手術後の癒着が原因となるものが大部分を占め、小腸が閉塞することが多いです。間欠的な腹痛、嘔吐、排ガス・排便の停止、腹部膨満感などの症状が見られ、腹部診察で、腸雑音の亢進、金属音の聴取、打診による鼓音を認めます。

閉塞性腸閉塞の主な症状は?

閉塞性腸閉塞の症状の代表は腹痛です。腸が閉塞しているので、ガスや便を肛門から排出することが不可能になり、腹部は腸に溜まったガスや便で膨れ、吐き気を催し、嘔吐するときは腸内にある便が胃のほうに上がって来るので大変な異臭がします。嘔吐により腸液が排出されてしまうので、体液の減少が起こり、また、腸内に存在する細菌が血液に入ってしまうと、ショック状態を起こします。

閉塞性腸閉塞の主な原因は?

閉塞性腸閉塞は、胆石や便のかたまり、回虫のかたまりなどが詰まって起こることがあります。また、ほかにも原因として、卵巣がんなどの外からの圧迫や大腸がんなどの腫瘍や腸の炎症などにより腸管が狭窄しているところをさらに圧迫する事で、起きてしまう事もあります。また、腸重積や腸ねん転などで、腸管壁の血行障害を起こしてしまいそれが原因となることがあります。

閉塞性腸閉塞の主な検査と診断方法は?

閉塞性腸閉塞の基本的な検査方法は、既往歴、病状の経過、全身的な疾患の状態などがあります。そして、これらの情報に腹部の専門的な所見が加えられ検査されるのです。この疾患は開腹手術した後の腸間の麻痺や、薬物の影響、神経的な要因なども関連してくる為に、これらの検査が必要になります。そして、血液検査、腹部のレントゲン撮影、造影剤を用いた小腸と大腸の撮影、CT検査などが組み合わされ総合的に判断されます。

閉塞性腸閉塞の主な治療方法は?

閉塞性腸閉塞の治療法として、食事や飲み物を取ることを中止して、十分な点滴による栄養と水分の補給による治療を行います。癒着が複雑であったり、腸管が異常に狭窄していたり、屈曲していた場合は手術を行います。開腹による手術において、腸管の癒着のはく離の治療を行ったり、腸管内の異物を除去して腸管の一部分の除去を行う治療を行います。