運動失語 ウンドウシツゴ

初診に適した診療科目

運動失語はどんな病気?

運動失語は、自分の意思を言語として表現できない症状を指します。他人が話している言葉は理解できていても、表現ができないという点にこの病気の特徴があります。大脳の一部には運動性言語中枢があり、言葉で表現するために必要な筋肉をコントロールしています。その脳の部位が何らかの原因で損傷することにより、この病気が発現することになります。

主な症状

運動失語における特徴的な症状としては、観念を言語化しようとした時の困難さが挙げられます。他の人が話している内容などは問題なく理解することができ、自分の中で考えを想起することも可能ですが、考えていることを言葉にすることができません。自主的な発語ができなくなることに加え、運動性言語中枢であるブローカ野が損傷している場合は復唱も困難となります。

主な原因

運動失語の原因は脳出血や脳梗塞によって、脳の言語機能の中枢が損傷されることにより、おこる症状です。日常で取得していた話す聞くといった音声に関わる機能に、障害が生じるようになります。高次脳機能障害のひとつで、声が出なくなる失声症等とは異なります。話し方がたどたどしくなり、聞いている方が話す内容の理解に苦しむ事が多くなります。

主な検査と診断

運動失語の検査方法としては、高次脳機能スクリーニング検査が行われます。高次脳機能スクリーニング検査にはいろいろな方法がありますが、初期評価としては、標準失語検査とWAB失語症検査、特定機能・補足検査を行います。初期評価の検査の次の段階の検査としては、能力障害について調べるために、実用コミュニケーション能力検査を行います。

主な治療方法

運動失語は、相手の言っている事の理解・判断ができますので、治療法は様々ありますが、脳神経科の医師や看護師による言語訓練が一般的です。医師や看護師が患者に対して、物の絵を見せ、質問して、相手から、簡単な言葉を少しずつ引き出していく事から始めます。治療は早ければ早い程いいので、病気と判断されたら、すぐに治療に入る事が大切になります。