遊走性静脈炎

初診に適した診療科目

遊走性静脈炎はどんな病気?

遊走性静脈炎は、静脈に起こる炎症を指します。この静脈の炎症には血栓が関係し、炎症によって血栓が生じたりあるいは血栓によって静脈に炎症が起こったりします。手足の静脈に炎症が現れ、再発したり移動性が見られる症状を、遊走性と呼びます。この病気への治療には、安静や湿布などの処置によって治癒することが多いですが、病状が重度になると血栓の除去などが必要です。

主な症状

遊走性静脈炎の症状は、静脈に沿うかたちで静脈周辺部の皮膚が赤く熱をもった状態となり、痛みをともないます。特に局所的にふれるとビリビリとひどく痛むことがあります。通常の静脈はやわらかく弾力がありますが、静脈炎の部分は皮膚の下にコードがあるような硬い感触になります。静脈瘤は血管の腫れがあってもやわらかいので、さわった感触で区別ができます。

主な原因

遊走性静脈炎を引き起こす要因は、複数考えられます。細菌感染・静脈瘤・心臓病・動脈の閉塞といった病気に関連している場合や、骨折等の病気以外のことを原因とする場合もあります。また、静脈注射や経口避妊薬の服用といった、病気等の治療に関わることでの発症もあります。その中でも、妊娠・外傷・手術後に発症することが少なくありません。

主な検査と診断

遊走性静脈炎の主な検査方法は、超音波ドプラー法と呼ばれる方法で、現在最も頻用されていて効率的に疾患を早期発見することができます。また直接医師が症状がみられる部位を診察しますが、通常、正常な静脈に繰り返し起こる血栓静脈炎が発症する場合などに認められるということがあります。正確な検査を行う為にも超音波検査を行うなどして症状を十分に経過観察することが必要です。

主な治療方法

遊走性静脈炎の治療法としましては、急性の場合は、局所を安静にすることと湿布や包帯などを用いると、数週間という短期間で治るのがほとんどです。難治性では、ワルファリンや抗血小板薬を使用する場合もあります。静脈瘤炎を合併している際には、血栓の除去、静脈の切除が必要になる可能性もあります。炎症は深在静脈まで広がっていく場合があり、肺塞栓の合併にも注意が必要です。