皮質下性認知症 ヒシツカセイニンチショウ

皮質下性認知症はどんな病気?

皮質下性認知症とは、脳の中の皮質下が障害されることによって発生する認知性障害です。この部位の脳細胞がダメージを受けて認知症状があらわれるわけですが、そのほとんどは高齢者に発生する、いわゆる老人性の認知症であると考えられます。少なくとも日本人においては、脳血管性の脳の細胞の障害によって発生することが多いと考えられています。

主な症状

皮質下性認知症の症状としては、主に歩行障害や尿失禁などが目立ちます。ほかにも、何に対しても意欲がわかなかったり、感情の変化が不安定になったりもしますが、記憶障害や失語症、麻痺などの病状はやや軽度であり、あまり目立ちません。行動の実行が難しくなる、転びやすくなる、動きが遅くなるなどのパーキンソン病も、よく認められています。

主な原因

皮質下性認知症の原因疾患は、進行性核上性麻痺や皮質基底核変性症やパーキンソン病や、脳血管障害などがあります。症状の特徴として皮質下の変形細胞や線維の変性・脱落により、情報処理速度の低下や学習した知識の想起の障害や、うつ病などの感情障害なども見られるようになります。そのほかには認知機能の統合や使用方略の障害などが起こるようになります。

主な検査と診断

皮質下性認知症の検査方法は、問診によって特有の動作に現れる神経症状や無気力になったり、行動が変化したりする精神症状が現れているか検査することと、画像診断による検査が有効です。画像診断は、MRIやCT撮影によって行われます。これらの画像診断で、第三脳室の拡大など特有の症状がないかを確認します。神経病理の所見からも総合的に判断します。

主な治療方法

皮質下性認知症とは、大脳皮質以外の神経細胞が集まっている皮質下核に病変が起きたことで生じる認知症のことです。この病気に対する治療法や特効薬は確立されていません。薬物療法として、抗パーキンソン病薬や抗うつ薬、抗精神病薬などを投与しますが効果は一時的です。また再発を予防するために、高血圧の管理と抗血小板薬の投与を行う場合があります。