弾性線維性仮性黄色腫

初診に適した診療科目

弾性線維性仮性黄色腫はどんな病気?

弾性線維性仮性黄色腫は、体の弾性線維に表れる遺伝子性の病気です。弾性線維にカルシウムが沈着することによって症状が表れます。首や腋といった場所に皮膚の変化が表れます。また、網膜の弾性線維に変質が表れ、視野の欠損や網膜出血による失明の可能性があります。また、動脈にカルシウムが沈着して脆くなるといったような病状が出現します。

主な症状

弾性線維性仮性黄色腫になると首や脇、股などよく動く部分に1mmから3mmほどの黄白色のぶつぶつが現れます。自覚症状はありませんが進行すると徐々に数が増えていき、皮膚が緩んで皺が目立つようになっていきます。また、動脈の壁にカルシウムが沈着して様々な臓器に障害が起こり心筋梗塞や狭心症、脳出血が起こることもあります。眼底に網膜色素線条と呼ばれる異常が発見されるようにもなります。

主な原因

弾性線維性仮性黄色腫の原因は、遺伝子の異常にあり、異常が発生している遺伝子は、ABCC6遺伝子であることがわかっています。この遺伝子が後に劣性遺伝形式をとることによって、病気が発症します。しかし、ABCC6遺伝子の異常によって、どうしてこの病気を発症させるかのメカニズムについては、未だ全く不明でよくわかってはいません。

主な検査と診断

弾性線維性仮性黄色腫の検査方法は、生検や遺伝子検査、眼底検査などによって実施します。皮膚組織を採取し、顕微鏡でのかんさつによって、皮膚組織の弾性線維の断裂や石灰化といった病状について観察します。また、遺伝子検査も病気の特定に有効です。さらに、眼底検査を行うことによって、網膜色素線条の病状が見られるかどうかを検査します。

主な治療方法

血圧をコントロールする治療法で、弾性線維性仮性黄色腫の症状の進行を緩和させる事が出来ます。皮膚に異常が見られる時は、異常を起こしている皮膚を切り取る手術を受ける事で、皮膚病の悪化を防ぐ事が出来ます。目から出血をしている時は、網膜を治療する必要があります。強心剤と抗生物質の投与を受けると、虚血症状の発症を防ぐ事が出来ます。