鎌状赤血球貧血 カマジョウセッケッキュウショウ

初診に適した診療科目

鎌状赤血球貧血はどんな病気?

鎌状赤血球貧血とは、先天的な赤血球の変形により酸素運搬能力が低下している状態を示します。先天的な疾患ですので、根本的な治療は困難であると考えられています。赤血球が通常の形から変形してしまうと、ヘモグロビンによる酸素の結合能力が低下して、結果的に血液を介した酸素の運搬能力が低下します。運動を行うと、酸素の需要に対応しきれず、息苦しさなどを感じます。

主な症状

鎌状赤血球貧血においては、そのほかのタイプの貧血と同様に、めまいやふらつきなどが起こると考えられています。それ以外にも、変形した赤血球が破壊されて、細動脈などに詰まってしまうことによって、血流障害などの症状が起こることもあります。また、赤血球が尿中に排泄されることによって、血尿が観察されるようなケースもあることが分かっています。

主な原因

鎌状赤血球貧血とは、赤血球が鎌状に変形してしまい正常な動きができないために酸素運搬ができずに起こる貧血症のことです。この原因は遺伝子の突然変異により11番染色体にあるヘモグロビンβ鎖の6番目のアミノ酸に置換されることによって起こることが近年の研究で判明しております。遺伝子の突然変異なので対処療法しかなく根治療は今のところないのです。

主な検査と診断

鎌状赤血球貧血の検査方法としては、血液検査が必要不可欠で、採取した血液を顕微鏡で覗いて鎌状の赤血球や壊れた赤血球の欠片を探し出します。また、電気を流すヘモグロビン電気泳動法を使って異常なヘモグロビンを分離して探し出すこともできます。この病気は血縁者と深い関わりがあるので、親となる人にカウンセリングを行い、新生児にはスクリーニング検査をします。

主な治療方法

生理食塩水を含んだ点滴を受けると、脱水症状と細菌の感染を防ぐ事が出来ます。輸血を受けることで、鎌状赤血球貧血の症状を緩和することが出来るので、めまいや耳鳴りなどが起きなくなります。脾臓が萎縮していて異常が出ている時は、強心剤と抗生物質を投与して脾臓の筋肉の萎縮を回復させる必要があります。骨髄移植による治療法が最も効果的です。