ファンコニ症候群

初診に適した診療科目

ファンコニ症候群はどんな病気?

ファンコニ症候群は、近位尿細管での再吸収の作用が機能しない病気です。近位尿細管では、ブドウ糖やアミノ酸、リンといった栄養素が吸収されます。しかし、近位尿細管による再吸収が機能しないと、各種の症状を引き起こすことになります。リンの再吸収阻害によって不足すると、骨軟化症やくる病といったような他の病気を引き起こすきっかけになります。

主な症状

ファンコニ症候群の症状としては、遺伝性の場合、乳幼児期に、多量の尿の排出、筋力低下、骨の痛みと伴に、血液の酸性度が高くなります。尿には多量のブドウ糖、重炭酸塩、リン酸塩、尿酸、カリウム、ナトリウム、一部のアミノ酸が、検出されます。診断が確定される前に、骨や腎組織にある程度の損傷が出ていることが多いです。腎不全を起こすこともあります。

主な原因

ファンコニ症候群の原因には、遺伝性と後天性、突発性の3種類があります。遺伝性のものは、シスチン症、ガラクトース血症、チロシン血症、グリコーゲン蓄積症、遺伝性フルクトース不耐症などによって起こり、後天性のものは、免疫疾患、薬物、重金属中毒などによって起こります。小児の発病の要因としては、シスチン症に起因するところが大きいようです。

主な検査と診断

ファンコニ症候群は、乳幼児の場合は産後検診、成人であれば健康診断の際に血液検査や尿検査で病気が判明する場合が多いです。検査方法の内容としては、血液検査では血液の酸性度を確認します。高濃度のブドウ糖、重炭酸塩、カリウム、ナトリウム、尿酸、リン酸塩が検出されると診断はほぼ確定します。また、尿検査では、腎機能の異常を確認します。糖尿やアミノ酸尿、リン酸尿の検出で診断をします。

主な治療方法

ファンコニ症候群とは、尿細管の機能障害のことで多量のブドウ糖、重炭酸塩、リン酸塩、尿酸、カルシウム、アミノ酸の一部が尿に排泄される病気です。大量の尿の排泄や筋力低下などの症状があらわれます。この病気の治療法は、血液の酸性度が高い時は、上炭酸ナトリウム溶液を飲用し中和させます。また、血液中のカリウム濃度が低い時は、カリウムの補給を行います。骨の病気には、リン酸塩とビタミンDを補給します。