脊柱後弯症(円背) セキチュウコウワンショウ エンパイ

初診に適した診療科目

脊柱後弯症(円背)はどんな病気?

脊柱後弯症とは、脊柱が何らかの理由によって後湾することによって発生する障害のことです。脊柱は本来は自然なS字カーブを描いているものですが、この自然なカーブが崩れることによって様々な障害が発生します。例えば、過剰な負荷が椎体に加わることによって、疲労骨折が生じてしまうようなケースもあります。
老人性円背は高齢者にみられる腰や背中が曲がって丸くなること指し、骨粗鬆症と関連していたり、女性に多くみられます。

主な症状

脊柱後弯症では、この疾患の引き起こされる背景によって症状が異なると考えられます。先天的なものや軽度ものの場合は、ほとんど何も自覚しないようなケースもあります。身体に大きな負担を強いる状態となっている場合は、四十肩や五十肩などの肩こり、腰痛や片頭痛、ぎっくり腰などを引き起こすことになり、疲れやすい身体になってしまいます。放置しておくと、腕を真っすぐ挙げることも困難になります。
老人性の場合は、背骨が亀の甲羅のように緩やかに丸く突き出してくる症状が出ます。特に痛みを感じる例は少ないですが、無理に丸まった背を伸ばそうとすると、背骨の骨折や神経障害などを招き、場合によっては脊椎損傷となり命に関わることがあります。寝たきりで老人性円背の症状がある患者をベッドに寝かせる時は細心の注意を払う必要があります。

主な原因

脊椎後弯症の原因は、先天的な異常と神経や筋肉の異常によるものなどがあります。成長にともなって複数の椎体がくさび状に変形し、脊柱が丸く変形したり、先天的に椎体が変形していることや、小児期の脊椎カリエスの後遺症として発症することもあります。
他には骨粗鬆症、椎間板や椎骨の加齢変化による変性後湾症が重なっていることもあります。
老人性円背は、加齢による骨の変形、摩耗や骨密度の低下が原因です。
脊椎の椎間板の軟骨が、老化により乾燥し、周囲の筋肉が固くなって変形したり、骨粗鬆症によって椎体がもろくなったところに重いものを持ったり、立ち上がったり、尻もちをつくことで力が加わり、押しつぶされるようにして圧迫骨折を起こします。痛みなく圧迫骨折をするので気付かないこともあります。この骨折を1度でなく数回にわたり繰り返すことで、徐々に背中が丸くなっていきます。

主な検査と診断

通常脊柱後弯症の主訴に痛みは乏しい為、他人から指摘されたり定期的な健康診断などで見つかる場合が多いようです。いずれにしても、検査方法はX線撮影が用いられます。先天性の場合は特に、容易に画像判断できます。神経系や泌尿器などにも疾患を伴うことがあるので、充分な検査が必要になります。MRI検査が有用です。
加齢による老人性円背は、骨粗鬆症の検査も必要です。自然と起こるものですから、つらい症状が現れることもありませんが、単純X腺撮影の画像を見ると、脊椎の椎体前部が、つぶれたくさび形に見えることで診断できます。
がんなどの転移による圧迫骨折で生じる場合もあるので、診断を確定するためには、血液検査やCT、MRIなどの検査を行うこともあります。

主な治療方法

脊柱後弯症の治療法は、現在の医療では残念ながら、的確な予防法や根治治療の方法はありません。年齢や側弯の角度、また進行度によって装具を装着し、それ以上の進行を防止する治療が一般的になっています。また先天性のものや、神経の病気からきているもの、50度以上の側弯の状態ならば手術を行い、脊柱を矯正して固定させます。また鍼やマッサージ、運動療法で姿勢を正すため必要な力をつけることが大切で、ストレッチも効果があります。毎日軽く背筋を伸ばしたり、少し後ろにそらせる運動を続けるとよいでしょう。
また骨粗鬆症の場合、骨を丈夫にするためにカルシウムを多く摂取することも必要で、カルシウムの吸収を助けるビタミンDやマグネシウムも一緒に摂取すると効果的です。