歯欠損 シケッソン

初診に適した診療科目

歯欠損はどんな病気?

歯欠損とは本来32本ある人の歯が抜けるなどして欠損している状態を指します。
事故や虫歯、歯周病などで歯が抜けてしまった場合や、歯周病やむし歯が重度になって医師の判断で歯を抜いた場合、乳歯が抜けた後も永久歯が生えてこない先天性の欠損の場合などがあります。
先天性の欠損は日本において10人に1人の割合で見られ、欠損している本数は1本の場合や10本に及ぶ場合などさまざまです。

歯を失ったまま放置すると空白のスペースができることで隣の歯が倒れこむことで嚙み合わせに影響を及ぼすことがあります。
審美的な問題だけでなく食事がとりにくい、発音がしにくいなどの日常生活にも影響を及ぼします。

歯を失った場合、半年以内には何らかの治療によって人工の歯を入れることが推奨されています。
具体的な方法としてはブリッジ、入れ歯、インプラントなどが挙げられます。欠損部の状態、残存歯の状態によって適切な治療法を選択することが大切です。

先天性の欠損の場合、補綴ほてつ処置、義歯、インプラントの埋入、歯の矯正治療などが選択肢として挙げられます。

主な症状

歯欠損によって起こる症状としては、正しい姿勢をとりづらくなる、肩こりが出る、腰痛が出る、視力が低下する、いびきをかく、顎関節症(がくかんせつしょう)などが挙げられます。

また歯を失うと噛む機能が低下し、自然にその分を他の歯で代用して噛もうとします。
これによって代用して咬もうとした部位や周辺の組織、筋肉、顎関節などに負担がかかり連鎖して他の歯を失う場合もあります。
これは咬合の崩壊と呼ばれており、連鎖的に歯を失ってしまうものです。

また、失った歯の部分にスペースができることで周囲の歯が傾き、かみ合わせが悪くなります。これによって肩こり、頭痛を引き起こしたり、食べ物の味が変わってしまうなどの症状が現れます。また、かみ合わせの悪化は咬む回数、唾液の流出量の減少にもつながります。唾液には成長ホルモンが含まれていたり細菌、ウイルスなどから体を守る免疫作用があるなど体に大きく影響を及ぼします。また、咀嚼が少なくなることで小腸での消化が悪くなることもあります。

主な原因

歯欠損によって歯を失う原因はさまざまです。
重度の虫歯や歯周病、事故によって失う場合やそれらの要因から医師が必要と判断し抜歯を行う場合などもあります。

また、先天性の欠損歯に関しては現在のところはっきりとした原因は解明されていません。
遺伝性によるものや全身疾患、薬の副作用、妊娠時の栄養不足、歯の退化現象などと関連しているのではないかと考えられています。先天欠如歯の場合、そのほとんどが永久歯です。特に多いのが側切歯と第二小臼歯と言われており、多くは下の歯に起こります。永久歯と生え変わるはずの乳歯が抜けずにそのまま残存する場合もありますが、乳歯は永久歯と比較して弱いため早期に抜けてしまうことも少なくありません。この乳歯が抜けてしまうとそのスペースに空間ができ、歯並び、かみ合わせが悪くなります。先天性の欠損歯である子どもは増加傾向にあるとされています。

また、近年では歯の残存数と痴呆症との関わりについても研究が進んでおり、歯の数が少ないことがアルツハイマー型痴呆症のリスク要因になるとも言われています。

主な検査と診断

歯欠損の検査では、特に先天性の欠損歯の場合パノラマエックス線写真と呼ばれる検査方法で先天性のものであるかを確認できます。
多くは歯の生え変わりの時期に歯が生えてこないことで発見されます。
虫歯や歯周病などに起因するその他の歯欠損については診断のために特別な検査が行われることはほぼなく、直接口の中と歯の状態を確認することで判断できます。

適した治療方法を検討するために、必要に応じて検査が行われることはあります。
例えばレントゲン写真、口腔内写真、模型などを用いてカウンセリングが行われる場合もあり、歯科医院によってもさまざまです。

先天性の場合や病気を要因とするケースを除けば、歯欠損は不規則な生活習慣による虫歯や歯周病によって起こることがほとんどです。生活習慣病と言い換えることもでき、日ごろのケアや定期的な歯科検診を受けることで予防できます。虫歯や歯周病は軽度な段階で発見し、早期に治療を行うことが大切です。

主な治療方法

歯欠損の治療は大きく分類してブリッジ、入れ歯、インプラントの3種類の方法から選択されます。
それぞれメリットとデメリットがあり、歯の状態やライフスタイルなども含めて治療方法を決定します。

ブリッジ治療とは欠損した両隣の歯を支えに使用し、欠損部を補う方法です。
保険治療が可能で前後の歯が丈夫な場合に選択でき、審美性も良い点がメリットですが前後の歯を大きく削る必要があるため健康な歯に負担がかかる点がデメリットです。

入れ歯治療は1~数本を失った場合や、歯全体を失った場合にも選択できる方法です。多数の歯を補うのに適していますが歯肉で支えるためしっかり噛むことが難しかったり、違和感が大きいなどのデメリットもあります。

インプラント治療は失った歯の顎の骨に人工の歯根を埋めてその上に人工の歯を取り付ける方法です。歯の欠損状態に関わらず行うことができ、違和感が少ないなどのメリットがありますが費用が高額であったり治療期間が長いなどのデメリットもあります。