硬膜下膿瘍 コウマクカノウヨウ

初診に適した診療科目

硬膜下膿瘍はどんな病気?

硬膜下膿瘍は脳の感染症で、脳の中に細菌が入って化膿することにより、脳の中に膿瘍ができる病気です。脳の中に細菌が入る原因は、中耳炎など、脳以外の身体の部位の疾病の原因となっている細菌が、脳にまで侵入することによって起こります。また、頭部に外傷を負った時に、細菌が脳にまで侵入することによっても起こります。脳腫瘍との識別が難しいですが、CTやMRI検査によって診断できます。

主な症状

硬膜下膿瘍は、脳自体ではなく、脳を覆う組織の一番上の層である硬膜の下、すなわち硬膜とくも膜(中間の層)の間に膿がたまったものです。脳膿瘍と同じで、頭痛・眠気・てんかん発作・その他の脳の機能不全の徴候が現れます。症状は、数日にわたって進行して治療をしなければ急速で広範囲に蓄膿を生じさせるので、その後昏睡状態に陥り死に至ることになります。

主な原因

硬膜下膿瘍は脳組織を覆う硬膜の下部に膿が溜まることですので、この発症原因は、黄色ブドウ球菌などの細菌感染による場合が多く、副鼻腔の重度の感染症、耳の重度の感染症、頭部の外傷によるもの、頭部の手術、血液の感染症など、様々なことが誘因となって発症します。5歳未満の小児がこのような病気が発症した場合、髄膜炎を起こす可能性もあります。

主な検査と診断

血液検査や髄液培養検査では陰性になることが多く、精度が低い。また脊椎穿刺は、ハイリスクの上、陽性を期待できない。一番有効な硬膜下膿瘍の検査方法としては、造影剤を使用し、MRI、CTで観察すると、脳の損傷部分の範囲を描出できる。CTよりもMRIの方が解析度が高いが、早期の場合を含めて他の類似症例と似通うことがあり、検査を繰り返し行うことが要求される。

主な治療方法

硬膜下膿瘍の治療法につきましては、内科治療は抗生物質の投与があります。その他、嘔吐・吐き気や頭痛に対しての高張液、痙攣に対しての抗けいれん剤が投与される以外は外科療法となります。外科療法では局所麻酔をして、針を刺し膿を吸引する穿刺吸引や、管を留置して膿を排出させるドレナージなどが行なわれます。 ほとんどの場合で膿瘍の全摘出が必要なことはありません。