異常ヘモグロビン症はどんな病気?
異常ヘモグロビン症とは、血中の色素であるヘモグロビンが異常形となる事に起因する様々な症状の総合的な呼称です。ヘモグロビンの異常形は主に遺伝的な問題に由来しますが、両親に問題が無くとも突然変異的に発症する場合もあり注意を要します。ヘモグロビンの形に異常があったとしても、その働きに問題が無ければ症状は起きませんが、赤血球が溶血性貧血を起こし易くなったり酸素結合能力に問題が生じれば治療対象となります。
主な症状
異常ヘモグロビン症とは、赤血球の中にあるヘモグロビンが異常をきたしその中にあるグロビン鎖に異常をきたして酸素の運搬が正常に出来ない症状のことをいいます。この病気のかかりますと体内で酸素の運搬が慢性的にできないので貧血ぎみになります。この多くが先天的なもので小児期より発症しており根本的な治療法は現在のところないのが実情です。
主な原因
異常ヘモグロビン症の原因は、グロビン鎖の異常によって引き起こされるものです。グロビン鎖が異常化することによって、不安定な構造を持ったヘモグロビンが作り出されることになります。不安定な構造のヘモグロビンは酸化作用によって崩壊し、尿の中へと排出されます。また異常なヘモグロビンの一部は、変形を起こして赤血球膜に障害を与えることによって、赤血球を破壊していきます。
主な検査と診断
異常ヘモグロビン症の検査方法には、次のものがあります。溶血性貧血で主にみられる所見(貧血、網状赤血球増加、関節ビリルビン上昇、血清ハプトグロビン低下など)が認められます。また、異常なヘモグロビンであることを証明するため、等電点電気泳動や逆相HPLC法を行います。その他、不安定ヘモグロビンか否かの判定のため、イソプロパノール沈殿生成試験を行います。
主な治療方法
異常ヘモグロビン症とは、遺伝的な問題によりヘモグロビンが異常な形となったことで起こる様々な血液の病気の総称です。ヘモグロビンの形は異常でも、その働きに問題は認められません。この病気の治療法は、サラセミアの場合、輸血、脾臓の切除、葉酸の使用などで治療にあたります。不安定ヘモグロビン症の重症の場合は、サラセミア同様の治療を行います。
異常ヘモグロビン症の初診に適した診療科目