交通性水頭症 コウツウセイスイトウショウ

初診に適した診療科目

交通性水頭症はどんな病気?

脳の周りには脳脊髄液(のうせきずいえき)があり、この髄液は1日に約3回ほど循環し入れ替わるとされます。この髄液の循環経路で流れが悪くなると、脳室内に髄液が停滞することで脳室が次第に拡大します。そして脳を圧迫することで様々な症状があらわれることとなります。これが水頭症です。交通性水頭症とは、頭蓋内圧は正常範囲であることが多く、歩行障害や認知症、尿失禁などが典型的な症状となります。

主な症状

交通性水頭症の症状は、脳室拡大がみられるものの頭蓋内圧は正常値、または軽度上昇であり、足が普通に上がらず、不安定になるというような歩行の障害があらわれ、ぼんやりとしていて反応が鈍くなり、記憶力の低下を起こす認知症、尿失禁などが代表的なものとなります。これは老化によるものだと勘違いされやすい状態のため、診断も困難なものです。

主な原因

交通性水頭症は、髄液を生産する脈絡叢に腫瘍ができて、髄液が過剰生産されてしまうことが原因で起こります。また、髄液が頭蓋骨奇形のために、静脈の流れに障害があるため水頭症になってしまう場合もあります。この場合、脳内の髄液循環路は交通されており、髄液の吸収能力の障害によるものとされます。これらは、くも膜下出血などの頭部疾患が基礎疾患となり、脳脊髄液の流れが妨げられることが直接の要因となる場合が多いです。

主な検査と診断

交通性水頭症の検査方法については、まず髄液の蓄積がどのような様子で起こっているのか確認するために、脳内の様子を磁気及びレントゲンによる画像撮影を行います。また髄液の流れをせき止めている原因が先天性のものであるのか、突発的なものであるのか、または腫瘍など他の疾病が原因になっているのかを探るために血液検査及び尿検査を行い、成分分析を行うことで解析します。

主な治療方法

交通性水頭症の治療法は手術によって行われます。腰椎ー腹腔シャント(L-Pシャント)や、脳室ー腹腔シャント(V-Pシャント)、脳室ー心房シャント(V-Aシャント)のいずれかの手術を行います。その他にも可能であれば、病気の原因となっている病変を外科的に摘出する手術があります。しかし、先天性水頭症については不可能なやり方です。