卵形嚢 ランケイノウ

初診に適した診療科目

卵形嚢はどんな病気?

卵形嚢とは、耳の奥にある内耳の前庭器官の内部にある平衡感覚を司る耳石器の一つです。この器官からはがれた耳石が、クブラという器官に付着してしまうことによって、クブラが重力に鋭敏に反応するため、めまいを引き起こすといわれています。内耳の平衡感覚のメカニズムは、とてもデリケートですので、このような少しの異変でも、めまいや耳鳴りを発症しやすいのです。

主な症状

卵形嚢は内耳の中にある耳石器の一つで、人の水平方向の直線加速度を知覚して、重力を感じ取る知覚器ですので、平衡感覚にとても関わっています。この器官に左右の機能差が生じることによって、重力を感じ取ることに障害が出るため、平衡感覚が崩れて、めまいの症状を引き起こします。めまいがひどくなりますと、歩行が困難になったりなど、生活において様々な支障をきたします。

主な原因

良性発作性頭位性めまい症は、耳鳴りはなく、聴力も正常なままです。卵形嚢(らんけいのう)の耳石が脱落してしまい三半規管に迷い込んで入ってしまうことが原因で起こります。自然治癒しますが、2週間から3週間が必要とされ、予後良好です。耳石が迷い込んで入ってしまうのは、前半規管には解剖学的関係により少ないとされています。後半規管が最も多く、その次が外側半規管となります。

主な検査と診断

卵形嚢は耳の器官の一部で、垂直な動きを認識するための感覚を司る器官です。この部分に異常がある場合、平衡感覚が鈍るため、明らかな異常を感じるはずです。脳に通ずる感覚器官なので、早急に耳鼻科にかかる必要があります。異常の有無の検査方法としては、患者に回転運動を与えるテストを行い、回転後に出現した症状を観察する診察によるものになります。

主な治療方法

卵形嚢の治療法の基本で一般的なのが、エプリー法というもので、1、2回行うと8割以上の確率で症状が治ります。この方法は、めまいが起こる方向に頭を45度回転させ、そのままゆっくりと倒れ、寝る状態になります。そして、反対方向に90度回転させ、その後体を起こします。治療をした日の就寝前には、枕などを数個重ね、頭部、または上半身を45度程度上げた状態で眠ります。