失行症

初診に適した診療科目

失行症はどんな病気?

失行症とは手足の運動障害が原因ではなく、着替えなどの日常生活において何気なく行っている動作をうまくできなくなった状態のことを言います。動作そのものがうまくできないほか、手順を忘れてしまう、道具の使い方がわからなくなってしまうなどのことが起こり、その原因は脳の機能障害であり、失行の症状によって障害を受けている脳の責任病巣が判明しています。

主な症状

失行症では、手足に麻痺がないのに意図した動作や指示された動作がうまくできなくなるという症状が出ます。種類によって失行の状態は異なりますが、例えば肢節運動失行であれば、硬貨をつまめない、ボタンを掛けれないなどの運動の稚拙症が生じ、観念運動失行であれば、敬礼やバイバイなどの意図的な運動ができなくなります。その他、口笛が吹けなくなるといった口腔顔面領域に失行が出ること(口腔顔面失行)があります。

主な原因

失行症の原因は、高次脳機能障害や神経学的な障害にあるものと考えられています。失行が起こる動作は、生得的な運動能力に基づくのではなく、経験的に学習や教育を通して獲得した動作であり、運動記憶や表象機能、行動計画機能、動作調整機能などに関係する高次脳機能が何らかの形で阻害されていると考えられます。自分のとるべき行動が分かっていながら、その行動を行うことができない状態にあります。

主な検査と診断

失行症の診断には標準高次動作性検査という検査方法が行われます。これは顔面、上肢、下肢を含むどうさによって検査する方法です。コース立体組み合わせテストでは、サンプルと同じ模様を色のついた積み木で再現させるテストです。動作の検査では医師が患者に一連の動作を実際にやってみせ、それとまったく同じ動きが苦なくできるかどうかをみるテストです。

主な治療方法

失行症の治療法は、リハビリテーションで対処することが多いです。また家庭内の生活で、身の回りのことであったり、特定の運動を繰り返すことで改善することもあります。年齢によって発症してしまうこともあり、認知症の改善治療と似たような方法で対応すると、良い場合もあります。ただしどうあっても改善しない場合であったり、逆に悪化してしまうケースもあります。