季節性感情障害はどんな病気?
季節性感情障害とは、特定の季節において、または季節の周期性を持って感情に障害が発生することを意味します。精神障害の一つであるとも考えられますし、心療内科の対象となるような心身症の一つであると考えることもできます。なぜ季節によって変動があるのかということは、明らかになっていない部分もありますが、行動の変化に起因することが考えられます。
主な症状
季節性感情障害とは、主に夏と冬のはじめから終わりにかけてみられる季節性の疾患です。夏季うつが5月~10月ごろ、冬季うつが10月~3月ごろによくみられ、症状としては、ストレスなどの他に原因となるものがないのにもかかわらず、特定の時期だけに倦怠感、睡眠障害、食欲低下や食欲増強、精神の不安定や意欲の低下などうつ病に似たものがみられます。
主な原因
季節性感情障害の主な原因は、冬季を中心に発症することから、日照時間と密接な係わり合いがあります。この病気の仕組みは、体内のメラトニンが日照の割合が短くなることで、その分泌のタイミングが変化し、分泌が上手くコントロールされずに、体調が変化するものです。このような要因で光の刺激が減り、神経の伝達物質であるのセロトニンが減少してしまい、脳の活動が著しく変化してしまいます。
主な検査と診断
季節性感情障害は、脳内のセロトニンが不足すると不安やうつ、疲れや落ち込みなどの症状が現われという特徴から、血清や脳脊髄液を採取し検査することが主流でした。しかし、最近ではPET検査で脳の中で働くセロトニンを観察する検査方法が用いられるようになりました。セロトニントランスポーターの濃度が季節によって変動することをPETによって確認することができるのです。
主な治療方法
季節性感情障害とは脳機能障害の一種で、特定の季節になると体のだるさや疲れやすさ、気分の落ち込みといったうつ病に近い症状が現れる病気です。10月頃に始まり3月に治まる冬型が一般的で、梅雨時期に現れる夏型もあります。この病気の治療法は、おもに対症療法で、生体リズムを整える日光浴が効果的です。また早寝早起きをし、軽い運動をするのも効果があります。
季節性感情障害の初診に適した診療科目