e型肝炎ウイルス イーガタカンエンウイルス

e型肝炎ウイルスはどんな病気?

e型肝炎ウイルスに感染した人や動物の糞便により汚染された水で経口感染するのが特徴的です。そのため、水道施設が整備された日本や欧米での感染はまれだと言われてきたが、最近、国内で感染したとみられる患者がいることもあり、日本でも感染する病気なのです。それらは、シカ肉や豚やイノシシのレバーが感染源とされています。いずれも生食に限るが、気をつけなければこの病気に感染してしまう恐ろしい病気です。

主な症状

e型肝炎ウイルスに感染し、肝炎を発症した場合、黄疸が出ることが多く、A型肝炎に類似しています。平均六週間ほどの潜伏期間があり、発熱や悪心、食欲不振、倦怠感、腹痛、尿が黄色くなる、肝腫大、肝機能低下が表れますが、大半は治癒します。また、症状もなく自然に治癒することもありますが、妊婦や高齢者は劇症化して重症となる場合があります。

主な原因

e型肝炎ウイルス(HEV)の感染経路はa型肝炎ウイルスと同様に経口感染であり、動物の生肉の摂取やウイルスに汚染された水や食品を飲食することにより、急性肝炎を発症します。衛生環境が整っていない地域、主に発展途上国で散発的に発生します。渡航歴のないe型肝炎症例があることからHEVはすでに土着していると考えられます。HEVはe型肝炎の原因ウイルスで、致死率はa型肝炎の10倍と言われています。

主な検査と診断

e型肝炎ウイルスに感染しているか否かの検査方法は、e型肝炎の発症前後において罹患した患者の糞便中に当該ウイルスが排泄されることから、この時期に糞便を採取して遺伝子増幅検査を行って鑑別します。ただしウイルスが排泄される期間が短いためにその時期を逃した場合には鑑別ができないことから、より確実な方法として血液中の抗体検査が行われます。

主な治療方法

e型肝炎ウイルスにかかり、肝炎が起きた場合、根本的な治療法はありません。そのため、対症療法がおこなわれます。急性期には入院し、安静に寝ていればやがて治癒しますが、まれに劇症化することがあります。治癒する人と、劇症化する人を早期に区別して、適切な治療をすることが大切です。食欲がなく食事がとれない場合は、ブドウ糖やビタミンなどの輸液で対応します。