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慢性活動性EBウイルス感染症はどんな病気?
慢性活動性EBウイルス感染症は、EBウイルスがTリンパ球やNK細胞に感染、増殖した結果、臓器の細胞に広がり多様な症状をもつ完治困難な疾患です。
EBウイルスとは、1964年に発見されたウイルスで未だに不明な点が多く、治療方法も完全ではありません。伝染性単核症様症状が繰り返し起こり、EBウイルスの DNAが検出されます。
発熱やリンパ節の腫れ、肝機能異常などさまざまな症状を持ち、また合併症も危険なものが多いことが特徴です。
慢性活動性EBウイルス感染症が見られるのは日本を含めた東アジア全体であることから何らかの遺伝子が関わっていることが考えられます。
年齢別に見ると6〜10歳が最も多く、11〜15歳、16〜20歳がそれに続きます。総じて若い世代に多いと考えられてきましたが、最近では30歳以上の患者が増加しています。2009年の報告では約3割が診断時に40歳を超えており、必ずしも若年層の病気ではないことがわかっています。

慢性活動性EBウイルス感染症の症状
症状が一定せず、さまざまな症状が出ることが慢性活動性EBウイルス感染症の特徴です。
炎症症状と腫瘍が主な症状で、伝染性単核症様症状と呼ばれます。
まず、リンパ球が活性化し、サイトカインと呼ばれる炎症物質ができるために起こる炎症症状について説明します。炎症が起きて、発熱し、強い倦怠感があり、リンパ節が腫れると言う風邪やインフルエンザのような症状が続きます。また、蚊刺過敏症が起きる場合があります。これは蚊に刺された部分が大きく腫れ上がり、高熱を伴う症状です。蚊の分泌物にリンパ球が反応しすぎるためです。
発熱は解熱剤では下がらず、数日続く場合もあります。蚊に刺された部分だけではなく、日に当たる皮膚がただれたり、水疱ができたりを繰り返す種痘様水疱症と呼ばれる症状が起きる場合もあります。その他の症状として血管の障害が起き、血管が詰まりやすくなる場合も。結果的に心筋梗塞や心不全、腸の血管が機能しないために便に血が混じることもあります。どの症状も命に関わる重篤なものです。

慢性活動性EBウイルス感染症の原因
EBウイルスは日本では成人の約90%以上が感染していることがわかっています。
最初の感染では、重篤な症状にはならず、上気道感染である場合がほとんどです。
しかし、一部で伝染性単核症と呼ばれる発熱とリンパ節の腫を伴う良性の疾患になる可能性があります。濃厚な接触や眼鏡や食器の共有,咳やくしゃみによる飛沫などが原因です。
稀に通常はB細胞のみを攻撃するEBウイルスが、T細胞やNK細胞に潜伏した状態で感染します。その結果、感染細胞が増えることにより制御不能となり臓器にも広がり全身の炎症してしまいます。そのようにして慢性活動性EBウイルス感染症が発症すると考えられています。
しかし、なぜ突然T細胞・NK細胞に感染してしまうのかなど根本的な原因については解明されていません。
地域で見ると慢性活動性EBウイルス感染症は、日本、韓国、中国北部などの東アジアの幼児や児童、若年層に多く見られます。そのため、この疾患は単なる感染症ではなく、免疫学的異常を原因とするリンパ増殖性疾患としています。

慢性活動性EBウイルス感染症の検査と診断
診断はかなり難しいです。慢性活動性EBウイルス感染症の疑いがある場合は、3段階の検査をします。
最初にEBウイルスに感染したことがあるかどうかを「抗体検査」によって調べます。抗体とはEBウイルスが体内に入ったときに、ウイルスと反応するものの総称で免疫のもとです。慢性活動性EBウイルス感染症にかかると抗体が異常に多く生成されます。
つまり、それだけ強く体がウイルスに対して争っているということです。次にEB ウイルスが増加しているかどうかを、血液中のEBウイルス DNA量を測ります。慢性活動性EBウイルス感染症の場合、血液中のEBウイルスのDNA 量が 102.5コピー/μg以上になります。
ここまでで抗体がありEBウイルスが増えていることがわかったらどの細胞に、つまりT細胞または NK細胞のどちらかに EBウイルスが感染しているかの検査をします。2番目までの検査は普通の病院でできますが、3番目の検査は研究機関でのみ可能です。

慢性活動性EBウイルス感染症の治療方法
慢性活動性EBウイルス感染症には、完全な治療法はありません。
エトポシドやサイクロスポリンA、デキサメサゾンを用いた免疫化学療法免疫療法はある程度の効果は期待できます。
しかし感染腫瘍細胞を完全には除去できません。悪性リンパ腫同様に抗がん剤の多剤併用療法もある程度は症状が軽減します。またこうウイルス療法なども利用されます。
ある程度の効果はありますが、どの治療方法も完治することはこんなんです。現在、最も効果が上がると期待されている治療方法は造血幹細胞移植です。
骨髄非破壊的前処置をして移植することにより、かなりの効果が上がっています。ただし、成功率は約約50~70%程度です。特に、慢性活動性EBウイルス感染症が進行してからでは、成功率がさらに低くなります。
臓器合併症や血球貪食症候群・悪性リンパ腫・白血病などの急性転化が起こりやすいです。診断がつき次第移植をすることを前提にすることが検討されています。

慢性活動性EBウイルス感染症の初診に適した診療科目

慢性活動性EBウイルス感染症の専門医


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