全生活史健忘 ゼンセイカツシケンボウ

初診に適した診療科目

全生活史健忘はどんな病気?

全生活史健忘とは、解離症状のひとつで、自分の名前や家族のことなど、自分自身に関する記憶をすべて失ってしまうものです。いわゆる記憶喪失のことです。多くの場合、強いストレスがきっかけとなって、突然生じます。外部的要因の場合は、多くが脳震盪などの衝撃が原因になることもあります。まれに、たまたま聴いた音楽がきっかけで、過去の記憶が戻ってきたという事例もあるようです。

主な症状

全生活史健忘とは、精神障害(解離性障害)の一つで、頭部外傷(脳震盪など)とともに発症し、自分の名前や年齢、家族、自分がどのように育ってきたのか、などの個人情報に関する記憶を突然すべて失ってしまうなどの症状を引き起こします。自分に関するもののみを全て忘れてしまった、という場合が圧倒的に多く、他人に関することまで忘れたというのは少ないです。

主な原因

全生活史健忘の原因は、大きなストレスや事故によって引き起こされることがあります。人が耐えられないようなストレスやあるいは頭部の外傷による記憶障害によって、自身に関係する記憶を全てなくしてしまうという事態に陥ります。大きな精神的負担から、自己の精神を守るための防衛本能の一つとして、この病状が発症する可能性も考えられます。

主な検査と診断

全生活史健忘の検査方法は、まず他の身体的病気に由来する症状でないことを確認するために脳に異常がないかを脳波を調べて確認します。身体に異常があればこの病気の可能性は排除されます。また薬物などの影響である可能性から血液検査も実施されます。それでも異常がない場合に心理検査が実施され、トラウマ体験の有無や記憶喪失の自覚の具合や他人からの記憶喪失の指摘があったかなどを詳しく調べます。

主な治療方法

全生活史健忘の治療法としては、記憶の手がかりになると思われる対象に少しずつ接触をしたり、麻酔分析療法や催眠療法などによって治療を行います。麻酔分析療法は、麻酔薬の静脈注射を行い、意識レベルをだんだんと下げていきます。この時には入眠の寸前で止めることが必要です。意識レベルが低下した状態で、質問を繰り返して記憶を蘇らせます。催眠療法は麻酔薬の代わりに催眠術をかけて意識レベルを低下させます。