セレン欠乏症 セレンケツボウショウ

初診に適した診療科目

セレン欠乏症はどんな病気?

セレン欠乏症はミネラルであるセレンが体内で欠乏し、それによって引き起こされる欠乏症です。セレンは魚介類や肉類、卵に豊富に含まれているため、日本国内では発症する患者さんはあまりいません。欠乏による症状としては心筋症、筋力低下、更年期症状の増加、ふけや抜け毛の増加、前立腺・肺・大腸がんのリスクの増大が挙げられ、欠乏症により心不全が引き起こされる場合もあります。

主な症状

セレン欠乏症は、心筋症、筋力低下、更年期症状の増加、フケや抜け毛が増える、前立腺がん、肺がん、大腸がんのリスク増大などに影響してきます。特に心筋に影響をあたえ心不全になる場合が多く、血液を送り出す働きが悪くなり、肺にうっ血が起きて酸素が十分に入っていかないため、血中酸素濃度が低下し呼吸困難が起きます。また、右心房や体静脈にうっ血が起こり、むくみや腹部膨満感が見られます。

主な原因

セレン欠乏症の原因は、セレンの摂取不足によるものです。セレンは、肉や魚介、卵などに含まれている栄養素です。この栄養素が、甲状腺ホルモンを活性化する役割を持っています。しかし、国の土壌によってはセレンが少ない場合もあり、セレンの摂取不足を招くことがあります。日本においては、通常の食生活でセレン不足を心配する必要はありません。

主な検査と診断

日本ではあまり馴染みのないセレン欠乏症ですが、検査方法としてはまず食生活や住んでいる環境などを患者に聞き、セレン不足の環境であるかどうかの判断をします。続いて血中のセレンの濃度を調べるために血液検査をしたり、尿検査で同様にセレンの濃度を調べたりします。他にも髪の毛や爪などからセレンの濃度を検査する方法がありますが、髪の毛は使用中のシャンプーによって間違った数値が出ることがあるので注意が必要です。

主な治療方法

通常の食生活を続けていればセレンが不足する事はまずありませんが、特殊な条件下でセレン欠乏症が発症した場合心筋を始めとした筋力低下が起こります。治療法は適性な範囲で短期間のセレン摂取を行い症状の改善を図ります。この際セレンの過剰摂取もまた身体に害になりますので正しい用量を守ります。その間毛髪からの成分分析を行い用量が守られているかモニターします。同時にビタミンEの摂取も行いセレン吸収を補助します。