まだら認知症

まだら認知症はどんな病気?

認知症の中でも多い割合を占めるアルツハイマー型認知症は脳の機能一部が委縮し、全体的に症状が進行していきますが、まだら認知症は脳梗塞など血管に関する病気が原因の引き金となる事が多い脳血管性認知症の症状で、一部の記憶障害なのが特徴です。症状は段階的に進んでいきます。アルツハイマー型と異なり、現段階では有効といわれている治療薬が存在していないため、リハビリなど非薬物療法での治療が主となります。

主な症状

まだら認知症は、アルツハイマー型認知症の全般性認知症に対するものであるが、記憶障害、計算力低下は著しいが、判断・理解力はよく、知識、常識はあるというような認知症の症状とは不均衡でまだらな状態であり、人格は途中までは保たれ、挨拶・礼容などもは可能ですしが、感情面に関しては、うつ傾向が多く、不安定で易変であり、感情失禁を起こすこともあります。

主な原因

まだら認知症は、小さな脳梗塞が原因となって起こることが多いです。多少の個人差はもちろんありますが、その背景となっているのは、高血圧によって引き起こされる動脈硬化で、高血圧になっている方の多い高齢者に発症するのは、極めて自然であると言えます。血圧が高ければ高いほど、脳梗塞にかかる危険性が高まり、同時にこの病気にもかかりやすくなります。

主な検査と診断

まだら認知症の検査では、診断名よりも危険因子を探しだし、それに対処することが大変重要です。危険因子である高血圧、動脈硬化、糖尿病、脳卒中、血液凝固などの有無の検査をします。脳血管性であるかどうかを調べる検査方法では、認知機能検査、脳MRI,脳SPECTなどを行います。頭部CTやMRIでは、大きな梗塞がある場合、小さな脳梗塞がたくさんある場合、大脳白質に広範な虚血性変化のある場合などを確認できます。

主な治療方法

まだら認知症を完全に治す治療法はまだありません。しかし、この病気が脳血管性認知症によって起こっている場合には、原因となっている脳の疾患の治療を行えば、この症状の進行を食い止めることは可能です。放置をしておくと、ますます症状は悪くなっていきますので、早期の治療が必要です。また、この疾患の症状は、日常生活を改善することによっても、進行を食い止めることができます。