食道裂孔 ショクドウレッコウ

初診に適した診療科目

食道裂孔はどんな病気?

食道は横隔膜にある食道裂孔という孔を通り、胸腔から腹腔に入り、胃とつながっています。この病気は、その孔から胃の一部が胸腔内に入り込んだ状態をいいます。自覚症状はあまりなく、せいぜいかがむと胸焼けがしたり、息苦しくなったり、といった程度です。しかしこの病気は、逆流性食道炎や食道がんといった病気の原因となりうるので、この病気よりも合併症のほうに注意が必要となります。

主な症状

食道裂孔による自覚症状は、それによって逆流性食道炎を起こすことによりあらわれます。主に胸焼け、胸の痛み、胸がつかえるようなものがあらわれます。特に夜間就寝時や食後時間が経過した後、かがんだ作業などを行う時に強くなる傾向があります。また、お酒やたばこ、コーヒーや油っこい食事などをとったときにも悪化する可能性が高くなります。

主な原因

横隔膜に存在する食道と胃の境目である食道裂孔を含んだ胃の一部が、胸腔の内部に侵入するヘルニアの病気があって、原因として裂孔が生まれつき一般の人と比較して広かったり、生まれつき横隔膜の形成が不十分であった場合は、症状が現れやすい特徴を持っています。成長段階の幼児や青少年の時に起こりやすい病気です。また、肥満も症状の要因の一つです。

主な検査と診断

食道裂孔については、消化器科や消化器内科が検査を行います。検査方法としては、問診とともに、レントゲン検査、造影検査、内視鏡検査などを行い、診断を実施します。造影検査では、バリウムを使用し、バリウムが、体内で、どのように通過するのかチェックしながら、診断を行います。また、内視鏡検査も症状により、実施される場合があります。目視により、直接的に診断を行います。

主な治療方法

食道裂孔の治療法では外科手術を行います。胃を元の位置に戻し裂孔部分を縫合して、食べ物が逆流するのを防止します。食べ物の逆流や裂孔を防ぐために食道の周辺に胃を巻きつけますが、胃の巻きつけ方には多くの方法があり、裂孔の大きさや逆流の強さに合わせて縫い方を選択します。もっとも多く採用されているのは、ニッセン方による縫合です。