HIV感染症 エイチアイブイカンセンショウ

初診に適した診療科目

HIV感染症はどんな病気?

HIV感染症とはヒト免疫不全ウイルスに感染した状態のことです。何もしないでいると
免疫力が低下していくために健常人では感染しない弱い菌やウイルスにも感染し病気を引き起こします。数年から10年ほどでエイズ(後天性免疫不全症候群)になります。
ウイルス保持者の血液や精液、母乳など様々な体液から口腔内や膣、尿道などの粘膜を経由して感染します。そのため性行為や出産・授乳、医療機関での針刺し事故などによりウイルスに感染することがあります。

主な症状

HIV感染症の初期症状が出る場合は、感染機会より2−4週間で39度以上の発熱、だるさ、のどの痛み、筋肉痛といった風邪のような状態になります。その後、無症候期に入ります。このまま治療を行わず放置しておくと、徐々に免疫力が低下し、しつこい下痢、体重の減少、発熱、寝汗などが起こります。更に状態が重くなると、せき、たん、息切れなどの呼吸器の不調、手足のしびれ、健忘症や人格の変化などの精神、神経に影響が出て、エイズという状態になっていきます。

主な原因

HIV感染症の原因は、感染者との性行為と、HIVで汚染された血液との接触、母子感染などです。コンドームを使用せずに性行為を行う、粘膜に出血があると感染の可能性が高くなります。以前は輸血での感染が多かったですが、現在ではほとんど見られません。また、注射器の使いまわし、病院での針刺し事故で感染することがあります。母子感染については、妊娠中、出産の際の感染の他、母乳からの感染があります。

主な検査と診断

主に性行為や血液により感染してしまうHIV感染症は、保健所や医療機関で検査が受けられます。検査方法としては日本では一般的には、陽性または陽性の可能性がある人を引っ掛けるためのスクリーニング検査と呼ばれる検査を行います。感染機会から3ヶ月以上経過しての検査で陰性であればHIV感染の心配はありません。もし陽性であってもこれで陽性が決まるものではなく、次の段階として本当に陽性かを確定させるために、HIV NAT検査やウェスタンブロット法を行います。
医療機関によっては、HIV NAT検査は感染機会から検査できるようになるまでの日数が短いため、こちらをスクリーニングで行うこともあります。

主な治療方法

HIV感染症は以前は不治の病と呼ばれていましたが、現在では完治はしないものの
早期に発見できれば、エイズに進行しなくて済み、通常の生活を送れるような薬が開発されています。内服する薬の量も減ってきており、また今後HIVを完治させる薬も期待したいところです。