発作性夜間ヘモグロビン尿症

初診に適した診療科目

発作性夜間ヘモグロビン尿症はどんな病気?

発作性夜間ヘモグロビン尿症は貧血の一種です。血管の中において赤血球が早く破壊されて起こる貧血で、朝起きた時の尿が濃い褐色をしているのがこの病気の特徴です。この濃色の尿はヘモグロビン尿と呼ばれます。後天性の病気で、発症する年齢は全ての年齢層にわたっており男女による発症率の差はありません。原因としては、後天的に血液の細胞の遺伝子に異常が発生することで赤血球が攻撃を受けて破壊されることで起こります。

主な症状

発作性夜間ヘモグロビン尿症と言う病気は、赤血球の膜に穴が開いたり伸展や損傷により破れて中のヘモグロビンが出てしまう溶血によって貧血を起こし、白血球や血小板も減少します。その結果、感染症になったり、出血傾向が現れることがあります。また、黒色尿や血栓症、肺高血圧、腎障害から腹痛、頭痛、息切れなどの様々な症状を引き起こしてしまいます。

主な原因

発作性夜間ヘモグロビン尿症の原因は血液細胞の素になる細胞の遺伝子に突然変異が起こることです。血液細胞の素は造血幹細胞と呼ばれますが、この細胞の中にあるPIGーA遺伝子に突然変異が起こることでGPIアンカー蛋白という作ることができない血液細胞が発生します。このたんぱく質がない血液細胞では、補体に対する抵抗力がないので溶血が起こるのです。

主な検査と診断

発作性夜間ヘモグロビン尿症の検査方法としては、赤血球や顆粒球の割合を検査します。この疾患は赤血球の細胞膜が破壊されてしまう後天性の疾患であるために、赤血球の検査が用いられ、輸血の影響を受ける可能性があるため、顆粒球の測定を組み合わせる事が必要になります。又、より高感度な方法を用いて欠損している血球の検出と定量を調べる事も効果的な検査の方法となります。

主な治療方法

免疫抑制剤を使った治療法で、発作性夜間ヘモグロビン尿症を治すことが出来ます。免疫抑制剤の投与を受ける事で、白血球と血小板の減少を止める事が出来ます。それに腎不全の発症を予防する事が出来るというメリットがあります。症状が重い時は、副腎皮質ステロイド薬を使った治療で血栓症の症状を改善する事が出来ます。骨髄移植も効果があります。