流行性耳下腺炎はどんな病気?
流行性耳下腺炎とは、いわゆるおたふく風邪のことです。おたふくのお面のように、耳の下辺りが膨れ痛むため、こう呼ばれます。おたふく風邪は咳やくしゃみでも移る、感染性の高い病気なので、これにきった場合の集団生活は出席停止となります。感染力が高いだけでなく、まれに重症化する恐れもあり、これといった特効薬がまだ開発されていないため、予防接種を受けることが感染を防ぐ重要な手立ての一つなのです。
主な症状
流行性耳下腺炎の症状は感染後2、3週間ほどの潜伏期のあと風邪のような咳や鼻水が出始めます。そして耳下腺の腫れや、発熱、頭痛があらわれます。食事のときに口をあけ辛く、耳にも痛みが走ります。左右両方の耳下腺が腫れ、触ると痛みがあります。腫れる前に発熱することもあります。38~39度くらいの発熱です。3日間くらいは腫れや痛み、発熱のピークをむかえます。
主な原因
流行性耳下腺炎とは耳下腺が腫れて痛む、全身疾患です。発熱、頭痛、食欲不振の症状があります。ムンプスウイルスの感染が原因で、潜伏期間は16から18日、感染期間は発病の数日前から耳下腺の腫れがひくまでの7から10日です。有効な薬はないですが、高熱や痛みには解熱鎮痛剤を使用します。安静にし、水分補給で脱水を防ぎ、噛まなくても大丈夫な食べ物を与えます。
主な検査と診断
流行性耳下腺炎は、特徴的な臨床症状があることや周囲の流行状況に応じて診断されることが大半です。主な検査方法としては、一般的に血清学的診断が用いられます。急性期におけるムンプス特異的IgM抗体の検出、あるいはペア血清でのIgG抗体が上昇しているかを診断材料に用います。その他、近年ではRT‐PCR法によって、ウイルス遺伝子(RNA)の検出も可能になっています。
主な治療方法
流行性耳下腺炎とはおたふくかぜといえばわかりやすいと思いますが、その治療法というものはとくに確立されておらず、そのときにある症状に応じた対処をその都度していくという対症療法でしかないのです。耳下腺が腫れて、痛みがある場合は耳の下を冷やしてあげるなどの手当です。または痛みには鎮痛剤の処方をしたりします。安静にしておくことがなによりです。
流行性耳下腺炎の初診に適した診療科目