偽性副甲状腺機能低下症 ギセイフクコウジョウセンキノウテイカショウ

初診に適した診療科目

偽性副甲状腺機能低下症はどんな病気?

副甲状腺ホルモン(PTH)は正常に分泌されているにも関わらず、作用する臓器の反応性に障害があって、副甲状腺機能低下症のような症状が出るのが、偽性副甲状腺機能低下症です。副甲状腺ホルモンがうまく働かないと低カルシウム血症からしびれや手足の筋肉のけいれん(テタニー)を起こします。治療は主に活性化ビタミンD製剤を服用します。

主な症状

偽性副甲状腺機能低下症によって副甲状腺ホルモンの働きが邪魔されるので、血液中のカルシウム濃度が低下します。テタニーという特徴的な手足の痙攣や口の周りに痺れ感などの症状が多く見られます。全身に痙攣が及ぶこともあり、てんかんの発作を起こすこともあります。歯の発育や知能の発達が阻まれることもあり、白内障なども起こりやすくなります。

主な原因

偽性副甲状腺機能低下症の原因は、臓器の副甲状腺ホルモンへの反応低下によるものです。副甲状腺からは十分に副甲状腺ホルモンが生成されているものの、そのホルモンを受け取る腎臓などの臓器の反応性が悪いために、この病状を引き起こします。症状の要因が不明の突発性のものや、甲状腺の手術の影響による機能低下が引き金となる場合もあります。

主な検査と診断

偽性副甲状腺機能低下症の検査方法は、主に血液検査で低カルシウム血症を始めとして、高リン血症の検査があり、インタクトPTHが一定以上なら本症であると診断されます。さらに確定診断にはエルスワース・ハワード試験が実施され、その結果においてタイプIa、Ib、IcとタイプIIの4型に分類されます。このタイプIaでは大脳基底核の石灰化がCTスキャンでよく認められます。

主な治療方法

偽性副甲状腺機能低下症の治療法はカルシウム製剤の経静脈的投与、および活性型ビタミンD3の投与です。カルシウム製剤の経静脈的投与は、低カルシウム血症に伴う重篤な急性症状に対して行なわれます。活性型ビタミンD3の投与は、血中カルシウム濃度の維持という長期的な目標にもとづいて行なわます。甲状腺機能低下症などを合併した場合は、それに対する補充療法も必要です。