フレイルチェスト フレイルチェスト

初診に適した診療科目

フレイルチェストはどんな病気?

フレイルチェストとは、別に「胸壁動揺」や「動揺胸郭」とも呼ばれており、中世の武器の一つ、フレイルのように肋骨が動揺することから、この名前がついたとされています。主に、単独、もしくは複数の各肋骨に2か所以上の骨折を来し、患者さんの呼吸運動で起こる胸腔内圧に対し、他の肋骨とは独立した運動様式を示すものです。呼吸の際に激痛を伴うため、患者さんの呼吸運動そのものが著しく障害されます。

主な症状

フレイルチェストの症状としては、奇異呼吸・呼吸困難が挙げられます。奇異呼吸とは、左右非対称な胸部の運動を伴う呼吸であり、複数の肋骨骨折により胸壁が肺の運動を支持することができなくなった結果生じます。これにより、吸気時には縦隔が健側に、呼気時には患側に移動し、十分な換気を行うことができなくなります。その結果、呼吸不全が引き起こされることになります。

主な原因

フレイルチェストの原因は、胸部に外からの強い力がかかったことによって発症するものです。肋骨の連続部分で複数骨折した場合などに、胸部に備わっている本来の呼吸の機能を失う場合があります。こうした胸部への強い圧迫の要因としては、交通事故や転落事故、その他の各種の事故により胸部を挟まれたことによりこの病状が引き起こされることになります。

主な検査と診断

フレイルチェストの検査方法は肋骨骨折の程度を確認するために胸部レントゲン検査を行います。肋骨骨折が写ること、その肋骨骨折が連続した3本以上に及んでいることを確認したときに診断が確定します。胸部CTで外傷の詳細な状況を診ることができます。また、血液ガス分析を用いる場合もあります。血液ガス分析は患者の動脈血を検体として用い、血液ガス分析器で自動分析されます。

主な治療方法

フレイルチェストの治療法は、人工呼吸療法、あるいは外科的固定法が主となります。人工呼吸療法の場合は、気管挿管、気管切開などを行って、陽圧人工呼吸を数週間続けます。外科的固定法は、人工呼吸器を使わない治療方法です。人工呼吸療法にはリスクがあるケースもあるため、それを回避するために利用されることがあります。医師がどちらが良いか判断してくれる傾向にはあります。