副腎クリーゼ

初診に適した診療科目

副腎クリーゼはどんな病気?

副腎クリーゼとは別名「急性副腎不全」と言い、急激な副腎皮質ホルモンが不足状態の時に起こる病気です。全身に嫌悪感や脱力感のような症状が始まり、精神症状や消化器症状が見られ、微熱から高熱へと症状が重くなります。続いて急激な脱水症状や血圧の低下、呼吸困難、意識障害を起こすとショックに陥り、治療が遅れてしまうと死に至ります。腹痛と発熱が起こりやすいので急性腹症と間違えられやすいのが特徴です。

主な症状

副腎クリーゼの症状は、初期に全身倦怠感や食欲不振、疲労感、脱力感などがありますが特徴的とは言えません。吐き気や嘔吐、下痢など腹部の異常と発熱が現れると急速に脱水や血圧低下、意識障害や昏睡、呼吸困難、低血糖、腎不全など深刻な病状が進行してショック状態が起こり適切な処置をしないと生命の危険があります。原因不明のショックではこの病気が疑われます。

主な原因

副腎クリーゼの原因は、細菌感染や血管閉塞が要因としてあります。副腎に細菌や血管閉塞、また、出血などの要因があると、副腎から分泌されるはずのホルモン量が減少してしまいます。また、慢性副腎皮質機能低下症を患っている患者の体に強いストレスがあった場合、この病状が表れることがあります。また、ステロイド薬も要因の一つとして挙げられます。

主な検査と診断

副腎クリーゼの検査方法については、血圧、脈拍、体温、呼吸、脱水の程度などを確認したうえで採血し、血中のナトリウム濃度、カリウム濃度、白血球・好酸球の数値、血糖値などを確認します。ナトリウム濃度が低下しカリウム濃度が上昇していることや、白血球、好酸球の増加、血糖値の低下などが見られることで判断します。また、ホルモン検査を実施した際にコルチゾールの低下が認められることも判断の基準となります。

主な治療方法

副腎クリーゼとは、副腎の細菌感染や血管の閉塞・出血、または下垂体の障害により、副腎皮質刺激ホルモンの分泌が急速に低下することにより起きる病気です。発症すると急速に悪化します。この病気の治療法は、ただちに副腎皮質ホルモンとブドウ糖の輸液と電解質の点滴投与を行ないます。そして、ホルモン検査を実施し結果や症状に合った治療を実施します。