封入体筋炎はどんな病気?
封入体筋炎とは、炎症性ミオパチーの一つで、50歳以上の男性に多く見られます。特に、大腿部や手指の筋力低下が生じます。また、筋細胞の核の中に管状の封入体が見られます。原因はタンパクの分解経路の異常によるものだと見られています。症状には、筋力の低下による立ち上がりや階段の昇り降りの困難です。治療方法としては、筋萎縮予防のリハビリが中心となります。
主な症状
封入体筋炎は、初期症状として歩行の異常に気が付きます。立ち上がりの動作や、階段の昇降が困難になってきます。大腿全面、前腕部内側の筋力低下や筋肉萎縮になり、物が握りにくい、力が入らない状態になります。また嚥下障害になることもあります。四肢の筋力低下や嚥下障害は進行することが多く、発症すると数年で車いす生活を送らなければならないこともあります。
主な原因
封入体筋炎は、原因が今でもはっきりとはわかっていない病気です。慢性のウイルス感染説などが挙げられたこともありましたが、よくはわかっていません。しかし、家族内で複数発症しているケースや、欧米で多く発症しているケースなどから、遺伝や人種によって発症しやすいのではないかと考えられます。また、50歳以上の高齢者に多いということから、若いころの生活習慣なども気を付ける必要があるのでは無いかと考えられます。
主な検査と診断
封入体筋炎の検査方法には、血液検査、針筋電図検査、筋MRI検査、筋生体組織診断があります。血液検査によって、自己免疫性疾患の合併が起きているかも検査します。針筋電図検査では、神経原性の変化が見られることがあります。筋MRI検査では、どの筋肉に障害が起きているか、強く障害が発生しているかを調べることができるので、この疾患の患者に見られる症状と比較して診断します。
主な治療方法
封入体筋炎は手足などの筋肉が炎症を起こしたり減少していく病気です。これにおける治療法は、現在は副腎皮質ホルモン剤や免疫抑制剤の大量投与によって、進行を遅らせる方法がとられています。近年の研究によって、塩化リチウムがこの病気に有効であることが解明されつつあります。まだ研究段階ですが、この効果が臨床的に立証されれば、飛躍的に進化する可能性があります。
封入体筋炎の初診に適した診療科目
封入体筋炎に関連する病名