呼吸窮迫症候群 コキュウキュウハクショウコウグン

初診に適した診療科目

呼吸窮迫症候群はどんな病気?

新生児呼吸窮迫症候群は早産児に多い呼吸疾患です。肺の未成熟によって肺サーファクタントが産生されないか不足しているために発症します。肺サーファクタントは肺胞内側の表面を覆い、その表面張力を弱めて呼吸の際に肺胞が拡張した状態を保てるようにしています。早産児は肺サーファクタント産生が少ないためその可能性が高くなります。また、母親が糖尿病の場合に発症することもあります。

主な症状

呼吸窮迫症候群は呼吸不全の一種です。血液中に酸素を取り込むことができなくなってしまうため、呼吸がとてもはやく頻回になる頻呼吸、大きく口をあけて喘ぎながら呼吸をする呼吸困難、また酸素が不足するために唇などが青く変色するチアノーゼなどの症状がみられます。また、その結果、肺の中に液体成分がたまってしまう肺水腫の状態を併発することが多いです。

主な原因

呼吸窮迫症候群の原因は、肺胞が本来の状態を保てずにしぼむことによって起きます。肺の中でガス交換を行う肺胞は、膨らんでいる状態を維持するため、肺胞から表面の活性化物質を分泌しています。しかし、肺胞表面の活性化物質が不足したり分泌されなくなると、肺胞を膨らんだ状態で維持することが出来なくなります。そうして肺胞の形が潰れて、ガス交換が難しくなります。

主な検査と診断

呼吸窮迫症候群の検査方法は、呼吸困難など特有の症状が現れていないかを観察すること、血液中の酸素濃度の測定、胸部X線写真検査などがあります。新生児に発症するものでは、早産や母親が糖尿病などの疾患を持っている場合に発症リスクが高いので、出産時にすぐに検査、処置できる体制を整えています。敗血症などの重篤な症状の患者に起こる場合もあるので、観察を行い症状が現れたら検査を行います。

主な治療方法

呼吸窮迫症候群の治療法は、 管を肺に入れ人工呼吸器で呼吸補助を行いながら、出来るだけ早くサーファクタントを気管から肺に注入する治療が行われます。また仮死や胎便の吸引が原因ならば、肺の洗浄や強心薬などによる循環の補助の治療も同時に必要となってきます。術後ほとんどの人は2~3日で改善していきます。ただ発症する新生児は未熟性の子が多いため、それよりも長い間、人工呼吸器が必要になる可能性もあります。