球脊髄性筋萎縮症

初診に適した診療科目

球脊髄性筋萎縮症はどんな病気?

球脊髄性筋萎縮症は、脳の一部や脊髄の神経細胞に障害が発生することにより、会話や咀嚼の際に使う筋肉や運動をする筋肉が萎縮する病気です。遺伝性の難病指定がされている病気であり、この病気にかかっている方はそれほど多くありません。主に30歳代から60歳代の成人男性だけがかかる病気ですので、その年齢の方は親族にこのような病気を持っている方がいないかに注意が必要になります。

主な症状

球脊髄性筋萎縮症の症状には、四肢の筋力低下や筋萎縮、痙攣が見られます。また、その他には舌の萎縮、呼吸機能の低下、食事の時にむせやすい、構音障害などが見られることもあります。男性ホルモンの作用が低下することによっても影響が起こり、乳房が大きくなったり、睾丸が小さくなったり、女性のような皮膚に変化するなどの影響が起こります。

主な原因

球脊髄性筋萎縮症は、X染色体長腕近位部にあるアンドロゲン受容体遺伝子第1エクソン内部にあるCAGの繰り返しが正常の場合は36以下なのに対し、38以上に異常延長していることが原因で発症します。また、男性ホルモンがこの病気で発生する神経障害に深く関与しているとされています。この病気はCAGの繰り返しの異常によって引き起こされるのです。

主な検査と診断

球脊髄性筋萎縮症の診断にはどのような検査方法が必要なのでしょうか。まず親族に病歴を持つ者がいれば、本人の遺伝子を調べることで因子を持っているかどうかが判明します。そのうえで神経筋症候がみられ、女性化徴候が示されていれば明確に判明します。これらの徴候がみられない場合は、血液検査を行いCK高値を測り、筋電図をとることで、神経原生などをはかり、診断の手がかりとする場合があります。

主な治療方法

球脊髄性筋萎縮症の治療法は、運動療法や合併症などへの対処療法です。現在では未だこの病気に対しての、有効な治療手段が発見されていません。そのため、症状の進行を抑えるために運動療法を行います。また、生活の質を改善させていくために生活指導を行います。さらに、高脂血症や耐糖能異常といった合併症の併発に対して治療を実施していきます。