失行

初診に適した診療科目

失行はどんな病気?

脳血管障害や交通事故などによって、脳に損傷を受けたために、脳の働きに起きる障害に高次脳機能障害があります。この障害の症状の1つに失行があります。それは、これまでできた日常動作を順序に従って正しく行うことができなくなる症状です。服の上下を間違えたり、上手に着ることができなくなります。道具の使い方も誤ったり、動作がぎこちなくなります。動作がぎこちなくなるので、移動する時に転倒しないようにします。

主な症状

失行はいわゆる高次機能障害の一つと考えられますので、失語、失読などの言語野がつかさどるような機能に障害がみられる場合が多いといえます。そのほかにも運動をつかさどるような機能に障害がみられ、自分が意図した動作や、指定された動作をおこなうのが困難になります。このようないわゆる運動障害がその典型的な症状であると考えられています。

主な原因

失行の原因は、大脳の部分的な損傷によって引き起こされます。病気や怪我などの要因で大脳の一部が損傷することにより、脳が本来の機能を果たさなくなります。その結果、行動すべきことを理解しているにも関わらず、実際には体で行うべき行動が出来ないという現象を発症することになります。脳の損傷部分によって、この病状の行動への影響も大きく変わってくることになります。

主な検査と診断

失行の検査方法は失語症検査や標準高次動作性検査と同種の検査で判断しています。専門の検者が検査を見守り患者の言動と行動から検査結果をまとめます。単純に言動や行動から判断するのではなく、話の内容に整合性があるのかも注意深く観察しなくてはいけないので専門知識が必要で根気がいる検査です。いくつかの類型に当てはまるパターンを示せば確定です。

主な治療方法

失行の治療法は、理学療法や作業療法を用いて主に行われます。この病状に対しては、薬剤での治療の効果はあまり見られません。そのため、理学療法や作業療法による運動を通して、病状の改善を図っていきます。低下した機能の反復練習をしたり、動作がスムーズに行えるよう訓練します。また、生活で混乱がないように環境を整えるということも有効です。