場面緘黙はどんな病気?
場面緘黙の基本的な特徴は、言語理解や発語等の言語能力は正常であるのにもかかわらず、ある一部の生活場面で沈黙を続けることです。発症の原因は明らかにはなっていない場合が多く、入園や入学等集団生活の場面で気づかれることが多いものです。発症の時期は5歳前後が多いです。しかし家庭では沈黙することもなく普通に話ができ、学校では周囲に迷惑を及ぼすことがほどんどないため、問題視されずにいることも少なくありません。
主な症状
場面緘黙では、家では家族と普通に話ができるのに保育園や学校など特定の場所に身をおくと、他者と話ができなくなるのが典型的な症状です。必要な場面でさえ、返事すらできなくなってしまうのですが、言語や知能分野の発達には問題はなく、病気というよりは小児期の不安障害の一種と考えられています。重篤な場合は、動くことも困難になることがあります。
主な原因
場面緘黙の発症は、脅威の兆候を感じた時に逃避・闘争を引き起こす脳の扁頭体が過剰に刺激されることが原因とされています。また、本人の生まれ持った気質や、家族の気質も発症に関係があるとされています。気質以外の要因としては、家族以外の人間とかかわりを持つ頻度や言語障害、環境や文化への適応なども発症にかんして関係があるのではないかとみられています。
主な検査と診断
場面緘黙が疑われる場合には、家族医や小児科医と相談して検査を受ける必要があります。検査方法とは、まず、親が先生と面接をします。そこでは、社会的交流や家族のやりとり、不安な症状などを話します。面接の後に、患者と先生がコミュニケーションをとりながら検査をします。また、言語・発達検査や心理査定など細かい検査をする場合もあります
主な治療方法
場面緘黙(学校や会社など特定の場所で緘黙になる)に対する一般的な治療法は、行動療法です。行動療法では緘黙は学習された行動ととらえます。そのうえで、患者に不安な場面をあえて暴露させて、段階的に、ときには褒めていくという治療を行います。また認知行動療法で患者の認知のゆがみをとっていくという方法や薬物によってうつ状態を改善していくという方法もあります。
場面緘黙の初診に適した診療科目