急性冠症候群はどんな病気?
急性冠症候群とは、動脈硬化により形成された物理的に不安定なプラークが、線維性被膜の脆弱化や冠攣縮を原因として破綻し、そこにできた血栓が冠動脈内腔を急速に狭窄または閉塞した病態です。非閉塞性血栓の場合は不安定狭心症に、閉塞性血栓の場合は急性心筋梗塞になります。心電図上でSTが正常あるいは下降を示すものと上昇するものとに大別して早急に治療の方針を決定します。
急性冠症候群の主な症状は?
急性冠症候群(ACS)は大きく4つの症状分かれ、不安定狭心症、急性心筋梗塞、心臓突然死、急性心不全を指します。これらに共通するのは、心臓の筋肉に酸素と栄養を供給している冠動脈に出来た粥腫(じゅくしゅ:コレステロールエステルを大量に含んだ脂肪の塊のこと)が破裂し血栓ができて、血管内の血液量が減少または途絶することで起こります。
急性冠症候群の主な原因は?
急性冠症候群は、主に心臓へ血液を送る血管が詰まることで、血液の供給が困難、或は出来なくなることが原因としてあげられます。また、なぜ血管が詰まってしまうかというと血栓と呼ばれる血の塊が血液の循環を妨げるからです。この血栓は、血管壁が損傷した場合に止血の役割を担い、その役割を終えたら通常だと自然と溶けるのですが、その作用が働かない場合があります。その場合にこの病気は起こります。
急性冠症候群の主な検査と診断方法は?
35歳以上の男性、または40歳以上の女性が胸の痛みを訴える場合、医師は急性冠症候群である判断することが多いです。しかし同様の症状が見られる病気は他にも多く存在するため、心電図検査と特定の血液検査といった検査方法よって病名の特定がなされます。特に心電図検査はこの病気において、極めて重要な初期検査として位置付けられています。
急性冠症候群の主な治療方法は?
急性冠症候群の治療法は、薬物やカテーテル、冠動脈バイパス手術による治療が挙げられます。薬物による治療の方法では、狭心症発作を抑えるための硝酸薬や、心筋梗塞を防ぐための抗血小板薬や高脂血症薬といった薬を使用します。また、カテーテルやあるいは冠動脈にバイパスを作る手術によって、外科的に心臓の冠動脈内の血流を改善させていきます。
急性冠症候群の初診に適した診療科目