半側空間無視

初診に適した診療科目

半側空間無視はどんな病気?

半側空間無視とは、脳が何らかのダメージを受けたことによりある一方からの視覚や聴覚などの刺激を認識することが難しくなる症状です。
例えば食事の時に片側の食事だけに手を付けないなど、日常生活の中でも症状を感じる場面があります。
反対側への関心が失われているので、視野が狭くなっている状態に対しても不自由を感じることは少なく、自覚症状がないのも特徴です。

主な症状

半側空間無視は、右側半球頭頂後頭葉に病巣が生じ、左半分の空間にある物の存在に気づかない現象のことをいいます。症状としては、頭や目をその方向にむけることは難しく、少しの音などの刺激があると、反対方向に注意が向いてしまいます。
歩いているときでも左側がみえないため、人や物にぶつかったり、食事のときは、配膳の左側におかれた食器類などがみえないため、右側のみのおかずばかり食べていることなどがあります。

主な原因

半側空間無視は、大脳半球の障害、それも右半球の障害を原因にして起こる脳の病気です。
脳内出血や脳腫瘍などによって脳の右半球に障害があると、視野の左半分を認識できないようになるのがこの病気の特徴です。これは両眼の左側の視野が欠けることによって起こる症状です。
逆に左半球が障害を受けた場合には、右側の空間無視が起こることもありますが、それよりも失語症が顕著にでます。

主な検査と診断

半側空間無視の検査方法には、主に3つの検査があります。
1つ目は、線分末梢検査と言って紙に書いた線分を一つ一つ消していくものです。
2つ目は線分二等分検査と言って、紙に書いた線分の中央に丸をつけていくものです。いずれも、障害側には全く手が付けられなければ発症していると言えます。
そして3つ目は絵を模写させる絵画描画で、発症していれば障害側が欠落した絵を書きます。

主な治療方法

半側空間無視の治療法は、現在では存在しません。治療ではなく、患者に自覚させることが重要であり、また周囲の人間が患者に対して気を使った方が良い傾向にあります。
ただし実験的には電気刺激を与えるといったものが研究されていますし、他にもいろいろな治療方法が考案されています。
もっとも治療のなかには副作用であったり、リスクが伴うものもあります。