膠芽腫 コウガシュ

初診に適した診療科目

膠芽腫はどんな病気?

膠芽腫は原発性脳腫瘍の約10%を占める、臨床的に最も悪性度の高い脳腫瘍です。アストロサイトから発生する極端に未分化な腫瘍で、45~70歳代に好発し、初発症状としては頭痛が最も多いです。数週間~数か月の短い経過で症状は進行し、頭痛の悪化、嘔吐、人格の変化、てんかん発作、麻痺、失語などが見られます。平均生存期間は12~14か月とたいへん予後が悪く、5年生存率は約7%となっています。

主な症状

膠芽腫の症状は大きく二分することができます。一つは脳の一部分を破壊する局所的なもので、もう一つは腫瘍の増大による頭蓋の圧迫によるものです。局所的なものには、体が脱力してしまう、体にしびれを感じる、うまく言葉を話せなくなる、記憶力が低下する、などがあります。頭蓋の圧迫によるものには、頭痛、嘔吐、意識障害などがあります。腫瘍は短期間で大きくなるため、病状の悪化も早くなります。

主な原因

なぜ膠芽腫に罹患してしまうのでしょうか。その原因を概説します。それは、中高年によく見られます。しかし、なぜ中高年になって生じやすいのか、ということについては、今のところよくわかっていません。ただ、一つわかっていることは、それは遺伝性による腫瘍だということです。つまり、家族に脳腫瘍等がある場合、これに罹患しやすいのです。

主な検査と診断

膠芽腫の検査方法には、CTやMRIが使用されます。単純CTの検査では腫瘍が高吸収域、周りの細胞が死んだところ、嚢胞は低吸収域として形が映し出されます。造影CTでは、腫瘍が不均一に増します。カテーテルを使用した脳血管撮影の方法もありますが、CTやMRIほど役に立たないです。MRIは、造影剤を注射して、腫瘍の周りが白く、いびつな形になることで判断できます。白く滲んだように見える場合もあります。

主な治療方法

膠芽腫に対する治療法としては、外科的切除が第一選択となっています。開頭手術において、可能な限り全摘を目指します。加えて、放射線感受性は高くはありませんが、腫瘍が残存する可能性が高いため、術後に拡大照射や局所照射を組み合わせた放射線療法を行うケースが多いです。また、化学療法としてテモゾロミド、アルキル化薬も用いられています。