胸腺腫 キョウセンシュ

初診に適した診療科目

胸腺腫はどんな病気?

胸腺腫とは胸骨の裏にある成人になると退化する胸腺の細胞からできる腫瘍です。腫瘍は比較的ゆっくりと増殖し、被膜の外に転移することは稀です。初期は無症状ですが、症状がかなり進行して腫瘍が大きくなると周囲の臓器を圧迫して、咳や胸の痛み、呼吸困難などの症状が現れるようになります。約30%の患者が体の筋肉を動かしていると疲れてしまう重症筋無力症を合併しています。

主な症状

胸腺腫は持続する咳や、胸部の痛み、呼吸困難、顔面・首のうっ血(血流が悪くなる)、浮腫(むくみ)の症状があります。また重症筋無気力症という合併症を起こすことがあり、体を動かしていると疲れてしまう病気なので、瞼が落ちる、食べ物をかむのが難しい、飲み込むのが難しい、表情が作りにくい、字が書けない会談が登れないといった日常生活に支障をきたすことが起こります。

主な原因

胸腺腫は、30代以上の成人男女に見られる疾患ですが、その発症原因はいまだはっきりと分かっていません。しかし、胸腺は免疫をつかさどる中心的な器官であることから、免疫異常と深い関係があるのではないかと言われています。多くの場合は、胸部のX線検査で見つかります。大体は良性ですが、まれに悪性のものがあり、その場合は胸腺がんという病名になります。

主な検査と診断

胸腺腫を調べる為の検査方法としては、その状態や位置を調べる為に、周辺の臓器との関係や病の広がりを調べます。その為、レントゲンを用いる事に成り、CT撮影やMRIなどの医療機器を用いた専門的な検査も必要となり、場合によっては超音波を用いたエコー検査を行って、この病気の検査が行われます。又、組織の一部を切除し、がん細胞の有無を確認する検査の方法もあります。

主な治療方法

胸腺腫とは、胸骨の裏にある胸腺という臓器に腫瘍ができる病気で、長引く咳や胸痛、顔や頸部のうっ血の症状があらわれます。この病気の治療法は、胸部X線検査、胸部CT検査、胸部MRI検査、PET検査の結果をもとに、胸腺とともにリンパ節や周辺の脂肪組織を切除する手術を行います。臓器への侵潤があり、腫瘍を除去できない場合は、抗悪性腫瘍薬や放射線治療を併用し治療を行います。