自己愛性パーソナリティ障害 ジコアイセイパーソナリティショウガイ

初診に適した診療科目

自己愛性パーソナリティ障害はどんな病気?

自己愛性パーソナリティ障害とは、自己を愛する行為が病的に高まり自分に対する誇大感を持ってしまう障害です。よって、自己中心的になり、周囲の人と共感ができなくなり、健全な人間関係を築けなくなります。
すると、職場での人間関係や家庭での夫婦関係に摩擦が生じ、関係がうまくいかなくなります。
不眠症やうつ病、不安障害などの心の病を併発することも多くあります。

主な症状

自己愛性パーソナリティ障害の症状は個人差が非常に多く、個性的ではありますが、一様にいえることはどの人も自分自身を過剰に愛しているところにあります。
「自分は特別な存在だ」と思い、強い野心がある一方で、自分以外は劣った存在だ、と考えるため他者への共感性も低いことが特徴です。
周りからの称賛や評価を求める傾向がありますが、その背景には自分を愛せないことや劣等感があるため、挫折などを経験すると過度に落ち込んでしまいます。

主な原因

遺伝子と環境要因が自己愛性パーソナリティ障害の発症に関わっている可能性があります。
幼少期の成長過程における両親からの行き過ぎた甘やかしや、両親からの心理的虐待や体裁・自尊心だけを満たすための利己的な養育など、偏った愛情が挙げられます。

主な検査と診断

そもそも自己愛とは誰もが持っているもので、どのくらい自己愛が強いと、自己愛性パーソナリティ障害であるのかは判断がつけづらいものです。
検査方法に明快な基準はありませんが、臨床心理士との問診により判断することができます。
判定基準は『社会的逸脱や柔軟性の欠如』、『社会的・職業的な領域での機能障害』などに着目して判定され、社会環境にうまく対応できるかどうかが基準となります。

主な治療方法

自己愛性パーソナリティ障害の治療法は精神療法が主ですが、イライラする、不安になる、憂うつになるなどの症状が出ている場合は薬と併用して治療したほうが良いでしょう。
患者さんの病気になった原因に合わせて治療していくものが最良とされています。

患者さんによっては家族全体を治療していくこともあります。症状が重くなってくると入院治療も必要になってきます。