頸肩腕症候群
頸肩腕症候群はどんな病気?
頸肩腕症候群とは、首から肩、腕にかけて起こる整形疾患の1つです。座業労働やストレスが原因であることが多く、若年層から起こり、男性よりも女性の方がなりやすいとも言われています。
これによる症状は首、肩、上背部、腕にかけての痛み、しびれなどで、感覚障害や運動障害を伴っていることもあります。症状の重さは軽度から重度まで広く、風邪や花粉症などの他の症状から痛みを増長させることもあります。
主な症状
頸肩腕症候群の症状が現れる場所や進行具合は人により違いますが、最初に手指、手関節、上肢、肩こりなどから始まります。だるさや疲労感などが徐々に痛みに変わっていきます。痛む箇所が肩の人もいれば手の人もいたり、動かすと痛い人もいれば、常に痛みがある人、痛い箇所が腫れてくる人など色々です。これらの痛みは必ずしもよく使う方に現れるとは限りません。
主な原因
頸肩腕症候群の原因の大部分は、その多くはパソコンなど上肢を長時間使用する環境で発生していることから、仕事による過労と考えられています。個人の体質や年令などの影響も全く否定するわけにはいきませんが、少なくとも主な原因は仕事によると考えていいでしょう。
手や腕などの使いすぎによる過労、じっとしている疲れや不自然な姿勢、そして運動不足や精神や神経の疲れが要因となり発症します。
主な検査と診断
頸肩腕症候群であるかどうかを判断するためには、主に二つの方法があると考えられます。一つは症状を観察して推定する方法です。一般的には頸部や肩や腕に突っ張り感や痛みを伴うケースが多いので、これらの症状の有無によって推定できます。
そのほかの検査方法としては、いろいろな画像診断が考えられますが、画像のみで診断を下すことができない場合は、症状との組み合わせで判断します。
頸肩腕症候群と同様の症状を起こす代表的な病気として、変形性頸椎症・頸椎椎間板ヘルニア・頸椎後縦靭帯骨化症・胸郭出口症候群などがあります。しかし、このように病名がはっきりしない場合、頸肩腕症候群と判断されます。
主な治療方法
頸肩腕症候群にはいくつか有効な治療法があります。患部を温めて血行を良くする温熱療法、痛みを抑える効果のある消炎鎮痛薬や筋肉の緊張をほぐす筋弛緩薬を服用する薬物療法があります。他にも運動による体操療法、マッサージなどの理学療法などがあります。
これらは対症療法なので根本から治療するわけではありません。したがって原因となる作業環境を見直し、改善する必要があります。