相貌失認 ソウボウシツニン

初診に適した診療科目

相貌失認はどんな病気?

相貌失認とは、人の顔がうまく認識できないという病気です。有病率は2~2.5%といわれており、意外と多いことがわかります。
主な症状としては、相手を顔ではなく声や歩き方で判断する、直前にあったばかりの人でも場所が変わると分からなくなってしまう、映画などの人物のすじがつながらない、などが挙げられます。著名人にもこの症状を抱える人もいます。

主な症状

失顔症とも言われる相貌失認に現れる症状というのは、顔の鼻や目、口といったパーツを認識することはできますが、その顔が誰であるという区別ができなかったり表情を読み取ることができないといった認知機能障害を現します。
近しい人の顔は認識できることもありますが、病気が悪化すると自分自身の顔さえも分からなくなってしまい、鏡を見た時にパニックになることもあります。

主な原因

人間は視覚情報を眼球でとらえ、それを視神経を通じて大脳の視覚中枢へと投影します。
その視覚中枢に投影された情報を、その周辺の脳機能によって形や色、また人の表情などへと認識をされる処理が行われます。
相貌失認には先天性のものと後天性のものがあり、後天性の場合は、この視覚中枢に出血や梗塞、腫瘍などの原因によって処理できなくなってしまうのが主な理由になります。
高齢者では脳梗塞などの血流障害、比較的若い人では交通事故などの外傷などが主な理由の一つです。
先天性のものは胎児期の脳形成の過程などで人の顔をすばやく認識する機能が低下することが原因です。

主な検査と診断

知っている人なのにその人の顔を見ても誰だか分らなくなってしまう相貌失認は、仕事内容によっては仕事に支障をきたす場合もありますので、早めに検査をする必要があります。
検査方法としては、知っている人の写真を見せてその方の名前を答えてもらったり、顔以外でその方を判断している可能性がありますので、髪型や洋服、持ち物などを隠してその方が誰なのかを答えてもらったりする方法があります。

主な治療方法

先天性の相貌失認は治療が確立されておらず、根本的には治らないとされていますが、トレーニング療法で症状の改善が期待できます。
一方で後天的な相貌失認の場合には、原因となる疾患を治療することで治る可能性があります。