解離性同一性障害 カイリセイドウイツセイショウガイ

初診に適した診療科目

解離性同一性障害はどんな病気?

解離性同一性障害とは、トラウマなどによって一人の人間の中に、全く別の人格が複数存在するようになることです。以前は多重人格と呼ばれていました。
長い期間に渡る苦痛や衝撃的な体験を別の人格が引き受け、痛みや苦しみを切り離すことで自分を守ります。別の人格は、性格や口調、筆跡も異なり、その時々で現れます。
この病の発生原因や進行過程はまだ研究途上のため、治療法はまだ確立していません。

主な症状

解離性同一性障害は、多重人格障害、多重人格と呼ばれていました。一人の人物のなかに2つ以上の人格が現れることが特徴です。
この疾患の症状としては、通常、1人の人格があらわれているときは、もうひとつの人格のときの記憶を忘れていることが多いです。
子供の頃に身体的、性的虐待を受けてきたことが原因であることが多く、PTSDとも考えられます。

主な原因

解離性同一性障害の原因とはまず、精神的に辛い思いをした環境で長時間たたされた場合に発症します。
酷い虐待行為等を繰り返し受ける事により、この行為を受けているのは自分自身では無いと思い込むのです。それによりもうひとつの人格が出来上がってしまうのです。
これは逃げ場の無い人間が自身を守る為にとる行為が関係しています。現実に受けている辛い思いから逃げる為です。

主な検査と診断

解離性同一性障害の検査方法には、DSM-IVによる診断方法があります。
この診断のためには、直接交代人格に会う必要があります。具体的には、毎日20~30分、患者さんに思いついたことをメモしてもらいます。そのようにすることで、交代人格がメモに現れる場合があります。
また、患者さんの外見をよく観察します。観察することで、交代人格の出現に気づきやすくなります。

主な治療方法

解離性同一性障害は今のところ治療法が確立されていません。治療の基本は、安心できる治療環境を整えること、家族など周囲の人の理解、主治医との信頼関係です。
解離されている心の部分は安心できる関係性でしか表現できないので、まずは家族や主治医と信頼できる関係を築き、すべての人格との対話を重ねることで、人格を分離する理由をなくし、人格の統合へと進んでいきます。