双極性障害 ソウキョクセイショウガイ

初診に適した診療科目

双極性障害はどんな病気?

双極性障害とは精神疾患の一つで、古くからの名称ではいわゆる躁鬱病と呼ばれているものです。うつ状態をきたすと気分がひどく落ち込み沈鬱な症状を呈しますが、その状態が一転し躁状態となると、活動性が上がり浪費や無謀な行動を起こすことがあります。近年の研究では、うつ病と診断された方でも実は当該疾患であることが少なくないとされており、専門医による慎重な診断が必要です。

主な症状

双極性障害はうつ状態と躁状態とが交互に現れる特徴があります。躁状態はうつ状態の正反対の状態であり、気分が高揚して愉快で陽気、上機嫌になり、活動性も向上します。そのため、一人で何でもできそうな万能的な気分になる一方、エネルギーが高まり周囲の人たちを攻撃するような傾向にもなります。また、口数が多く、早口にもなります。さらに「眠らなくてもいい」と感じ、不眠症も併発します。

主な原因

双極性障害の原因について特定することは困難ですが、この病気についての研究も進んできており、いくつかの仮説が唱えられています。その中で有力なのは、複合的な要因によるものであるという考えです。この病気に関連する遺伝子を抱えている人が、生活上のストレスの積み重ねなどの要因によって発症するというものです。また発症に関連する遺伝子について統合失調症と共通するものがあるといわれております。

主な検査と診断

双極性障害の検査方法は問診と医師による観察、心理診断などが主となります。そのため、初期の症状がうつ状態であればうつ病と診断される可能性が高く、早期に正確な診断をするのは大変難しい病気です。またうつ病とは全く治療方法が全く異なるため正確な診断が非常に重要で、特に医師による問診が鍵になります。赤外線を用いた光トポグラフィー検査で診断を行っている病院もあります。

主な治療方法

双極性障害の治療法は薬物による治療と精神療法との組み合わせによって行われます。薬物療法については特に気分安定薬が中心となります。薬を服用しながら普通の人と変わらない暮らしを送り、定期的に医師の診察を受けることになります。場合により心理カウンセリングも行います。また躁鬱の状態によって薬の量を減らしたり増やしたりして気分の安定をはかり回復を目指します。