後天性免疫不全症候群 コウテンセイメンエキフゼンショウコウグン

初診に適した診療科目

後天性免疫不全症候群はどんな病気?

後天性免疫不全症候群とは、一般にエイズ(AIDS)という名前で知られている病気です。ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染することで発症します。発症すると免疫の機能が低下させられてしまう、おそろしい病ですが、感染者と一緒に社会生活を送るだけで感染することはありません。感染経路は性的接触や輸血など感染者の体液と自分の体液が触れ合うことです。

主な症状

後天性免疫不全症候群(エイズ)はどのような症状を引き起こすのでしょうか。エイズウイルスに対する免疫反応としては、発熱、倦怠感、頭痛、関節痛、発疹、リンパ節の腫大などがありますが、大部分の人は気づかずに日常生活を送ります。さらに感染してから5年後には、深刻な免疫不全に陥り、ニューモシスチス肺炎などの日和見感染、悪性腫瘍、認知症などを併発します。

主な原因

後天性免疫不全症候群の原因は、主に3つあります。一つ目は性的感染で、性交時に性分泌液に接触することにより感染します。予防としては、コンドームの着用が効果的です。二つ目は血液感染で、感染された血液が、傷や輸血、麻薬の回し打ちするなどして、体内に侵入することで感染します。三つ目は母子感染で、主に産道を通るとき、授乳のとき、妊娠中に感染します。

主な検査と診断

後天性免疫不全症候群の検査方法は、血液を採取して行われます。通常の抗体検査であるスクリーニング、NAT検査、そしてその二つの検査で陽性という結果がでた場合に、HIV1抗体検査とHIV2抗体検査、HIV-1PCR法検査が行われ、これを確定診断といいます。この検査によるウイルス量の測定とフローサイトメトリー法によるCD4陽性細胞数検査がおこなわれます。

主な治療方法

現在では後天性免疫不全症候群の治療法として有効な薬剤が複数開発されており、臨床にても好結果を生んでいます。これら薬剤は現在20種類以上が開発されており、主な種類としてはHIVウイルスの活動を抑制する逆転写酵素阻害薬、プロテアーゼ阻害薬、インテグラーゼ阻害薬、そしてCCR5阻害薬があります。一般にはこれらを3種類以上組み合わせて投与する多剤併用療法が効果的です。