強迫神経症

初診に適した診療科目

強迫神経症はどんな病気?

強迫神経症とは従来の呼び方であり、最近は強迫性障害と呼ばれています。無意識に頭の中に浮かんでしまう不快感や不安感を呼び起こす概念を強迫観念といい、それを打ち消すために不合理なことをしてしまうことを強迫行為といいます。これら二つが過度にみられるものが強迫性障害です。家の鍵が閉まっているかが気になって、それを何回も確かめてしまったりすることなどが例に挙げられます。

主な症状

強迫神経症の症状は、強迫観念や強迫行為が自分ではおかしい、あるいは異常であると自覚していても、とらわれすぎて、自分では制御できず、結果的に日常生活に支障をきたすことが一般的です。この病の患者さんの多くは、苦しみを感じていて、なんとかそういう観念を取り払おうと思っていますが、そう考えれば考えるほど、かえってとらわれてしまうという悪循環が生じています。

主な原因

強迫神経症の原因は、脳の機能障害が関連しています。辺縁系や大脳基底核など、脳の特定な部分の障害や神経系の機能異常によるものだと見られています。しかし、まだ完全には分かっていません。また、最近は化学的な働きの不具合と、心理的な要因が複雑に絡み合って起きているという見方もあります。この病気は、几帳面、完璧主義者の性格の人に多く現れやすいと言われています。

主な検査と診断

強迫症状と言うものは鬱病や統合失調症、脳炎、てんかん、脳血管障害、脳器質性疾患など、他の精神疾患でもおおく良くみられる症状ですので、まず必要なこととして強迫神経症と他の疾患の鑑別が必要となってきます。他の疾患との鑑別のための検査方法としては、血液や髄液の検査、MRIでの画像検査、頭部CT、脳波検査が必要になってきます。

主な治療方法

強迫神経症の治療法は、主に薬物療法、精神療法、行動療法や認知行動療法が行われます。薬物療法では、セロトニン系の坑うつ薬は強迫観念を抑える効果が実証済みで、塩酸パロキセチン、マレイン酸フルボキサミン、塩酸クロミプラミン等が用いられます。また薬物療法の後に行動療法を行うとより効果が出やすく、行動療法ではエクスポージャーと儀式妨害を組み合わせたやり方が用いられます。