肺塞栓症 ハイソクセンショウ

初診に適した診療科目

肺塞栓症はどんな病気?

肺塞栓症とは、心臓から肺へ血液を送り込む肺動脈に塞栓子という血の塊が溜まって、肺動脈の血の流れが悪くなったり、閉塞したりすることをいいます。
主な原因は、足でできた静脈で作られた血栓が心臓に到達することでなることが多いです。
症状としては、胸の痛みや呼吸困難、過呼吸などがあり、血栓が小さい場合には、症状が出ないこともあります。

主な症状

肺塞栓症で最も多い症状が肺動脈が詰まることからくる息苦しさです。次いで多いのは胸痛です。
息を吸うときに起こる鋭い痛み、前胸部の漫然とした痛み、胸部圧迫感・不快感といった胸痛を生じることがあります。
このほかに失神・ショックがあり、病状が極めて重い場合突然死することもあります。
また下肢の腫れや痛み、皮膚の色の変化がみられることもあります。

主な原因

肺塞栓症は静脈血の鬱帯や血液凝固の亢進が原因となります。中でも最も多いのは、下肢の静脈内で出来た血栓が詰まることです。
他には鬱血性心不全や長時間同じ姿勢で居続けること、近年ではエコノミークラス症候群と言われ飛行機やバス等で長時間座ったまま同じ姿勢をしていることで、血液が固まり血栓ができ、立ち上がった時に、血栓が移動し肺動脈を閉塞してしまうというものです。

主な検査と診断

肺塞栓症の検査は、突然の胸痛があった場合に行うべきですが、その検査方法は、心電図と胸部レントゲン、血液検査を行います。
次に血液ガス分析の結果が低酸素状態で、心臓超音波検査にて右心不全があれば疑いは濃厚となり、造影CTスキャンにより肺動脈内の血栓が確認されると、ほぼ診断は確定されます。
その他、肺換気・血流シンチグラム、肺動脈造影、造影MRIなどを行うこともあります。

主な治療方法

肺塞栓症の治療法は、薬剤の投与やカテーテル、あるいは外科手術によって実施します。
薬剤による治療では、抗凝固療法を投与することによって、肺の中の血栓を溶かしていきます。
また、カテーテルを挿入し、直接肺に薬剤を入れたり血栓を吸引するなどの治療が可能です。
さらに、外科手術によって、直接血栓を取り除く方法も必要に応じて行われます。