アルポート症候群 アルポートショウコウグン

初診に適した診療科目

アルポート症候群はどんな病気?

アルポート症候群とは、難聴や視力障害を伴う糸球体腎炎です。X染色体性の遺伝のため、男性に多く、かかれば30歳代までに透析が必要になります。遺伝子変異に原因があり、症状としては腎障害、聴力障害、目症状などが挙げられます。張力障害では30~40%に両側性進行性の感音性難聴が認められ、眼症状には円錐水晶体、水晶体脱臼、皮質部白内障などが認められます。

主な症状

アルポート症候群の症状は、幼児期には血尿が唯一の所見になります。年齢とともに蛋白尿が見られるようになります。腎障害に加えて聴力障害が起こり、特に高い周波数の音が聞こえにくくなります。白内障が起こることもあります。角膜や水晶体、網膜に異常が生じると失明の可能性があります。血小板減少症や多発神経障害といった異常が見受けられることもあります。

主な原因

アルポート症候群の原因は、糸球体基底膜を構成する4型コラーゲンの遺伝子が変異するためです。X連鎖型の場合は、Xq22遺伝子座に存在する4型コラーゲンa5鎖遺伝子に起因します。状染色体劣性の場合は、第二染色体上の4型コラーゲンa3鎖遺伝子とa4鎖遺伝子に起因します。進行性遺伝性腎炎において、約90%がX連鎖型遺伝を呈します。

主な検査と診断

アルポート症候群とは腎機能が低下することによって引き起こされる、遺伝子性の病気です。そこで、この検査方法としては小児科や腎臓科などの医師に相談して、まずは腎臓病の家族歴を伝え、尿検査を行って異常を調べるようにします。難聴などの腎臓以外の症状がない場合は、腎臓の組織を顕微鏡で調べる腎生検を行うことが一般的です。X染色体性遺伝が疑われる場合は、皮膚生検を行って識別します。早期の検査をおすすめします。

主な治療方法

アルポート症候群に対しては、腎不全への進行を出来るだけ早期に阻止する治療を開始することが望まれますが、残念ながら、現在のところ、特異的な治療法がないため、慢性腎不全と同様の保存的治療が基本となっています。なお、状況によっては、腎移植が行われることもありますが、移植手術後のリスクとして、稀に(3~5%程度の確率)、抗基底膜抗体糸球体腎炎を発症することがあるため、検討の際は、注意が必要です。