広汎性発達障害

初診に適した診療科目

広汎性発達障害はどんな病気?

広汎性発達障害は、脳機能の生まれつきの障害です。対人関係の障害、コミュニケーション障害、こだわりを持つなどの3つの特徴があります。アスペルガー症候群、自閉症がこれに含まれます。
人との関わりが苦手で友達を作れない、空気を読めないなどがありますが、驚異的な記憶力や集中力で、中には特殊な才能を発揮する人もいます。

主な症状

広汎性発達障害の子供に共通してよくみられる症状があります。新生児では、おとなしく手がかからず抱っこを嫌がったり逆に手がかかり過ぎるということがみられます。
乳幼児期に入ると、呼んでも振り返らないことが多く耳が聞こえていないのではないかと心配になる保護者が大勢います。ひとり遊びに熱中し、その遊びの内容はおもちゃをどこまでも一直線に並べたり換気扇などの回るものに執着してうっとりと眺めたりしています。

主な原因

広汎性発達障害の原因は、今まで親の愛情不足や親のしつけにあると言われていました。しかし、研究が進むにつれて、遺伝的な脳機能障害であることがわかっていきました。
また、遺伝的なものだけでなく妊娠中の母親の心身状態や、出産前後の様々な状況が子供に大きな影響を与えます。
しかし、いまだに分かっていないことも多いというのが実情です。

主な検査と診断

広汎性発達障害の検査方法は、精神疾患の診断マニュアルに従った面接などの診断方法を用いて行います。
患者との面接や観察、さらに家族や教師などから情報を集めます。また、これまでの発育過程での各状況についての聞き取りを行います。こうして患者に関する情報を直接の診断や周りの情報を総合的に判断することによって、障害にあたるかどうかを診断します。

主な治療方法

広汎性発達障害はこれといった明確な治療法も薬も存在していません。イライラや攻撃性が高まったり、不安感が強い場合には抗うつ剤などの薬を状況に応じて投与します。
しかし薬ではこの疾患の根本であるコミュニケーションの障害や強いこだわりを治せるわけではないので、ソーシャルスキルトレーニングを少しずつ行っていき、障害とうまく付き合う術を身に着けていくことが大切です。